聖書批評学

聖書批評学(せいしょひひょうがく)は本文批評の主に保守派による呼び方である。

文書について、その本文を、文学的、資料、筆者、成立年代、執筆の意図、構成、文体などを確定する作業である。18世紀以降のヨーロッパで、合理主義精神の元で、その手法が新約聖書旧約聖書の研究に適用されるようになった。下層批評(本文批評)と上層批評(歴史・文献批評)からなる。

参考文献

キリスト教根本主義

キリスト教根本主義(キリストきょうこんぽんしゅぎ、英語:Christian fundamentalism)は、米国及び英国プロテスタントの保守的な福音主義(Evangelicalism)である。19世紀から20世紀初頭にかけて自由主義神学に対しキリスト教の基本的な信条を主張した。

テトスへの手紙

『テトスへの手紙』(テトスへのてがみ、テトスへの書)は新約聖書中の一書簡である。(希: Titon, 羅: Titum)。日本ハリストス正教会では『ティトに達する書』という。

保守的な聖書学者尾山令仁は、この手紙はパウロが殉教する直前のAD67年にローマの獄中で書いたものであると考えている。

ハインリヒ・ホルツマン

ハインリヒ・ユリウス・ホルツマン(Heinrich Julius Holtzmann, 1832年5月7日 - 1910年8月4日)は、ドイツのプロテスタントの神学者で、カール・ユリウス・ホルツマンの息子である。

ホルツマンは、父親が高位聖職者で教会最高会議の助言者であった時にカールスルーエに生まれた。

ホルツマンはベルリンで教育を受けて、1874年にストラスブルクで教授に任命された。新約聖書批評学の高名な学者になり、四福音書対照注解の著者として知られる典型的な自由主義神学者になった。

プロテスタントにおけるマリヤ観

プロテスタントにおけるマリヤ観(プロテスタントにおけるマリヤかん、英:Protestant views of Mary)では、キリスト教プロテスタントにおけるマリヤ(プロテスタントでは主の母マリヤとも呼ばれる)に対する見解についてのみ記述する。

マルティン・ディベリウス

マルティン・ディベリウス(Martin Dibelius, 1883年9月14日 - 1947年11月11日)は、ドイツの神学者。新約聖書批評学の先駆者である。マルチン・ディベリュースとも表記される。

ドレスデンに生まれ、ルドルフ・ブルトマンと共にヘルマン・グンケルの下で新約聖書学を学ぶ。

多くの大学で学んだのちに、ハイデルベルク大学で新約聖書釈義の教授に就任する。1919年に「福音書の様式史的研究」(Die Formgeschichte des Evangelium) を著し、ここから様式史的批評という言葉が生まれた。ブルトマンが1921年に「共観福音書伝承の歴史」を著して、ディベリウスよりも広い影響を持つようになり、様式史研究という分野が発展した。ハイデルベルクにて没した。

ヤコブ (イエスの兄弟)

主の兄弟ヤコブ(しゅのきょうだいヤコブ)(??年 - 62年)は、ナザレのイエスの異母兄または従兄あるいは実弟とされる人物である。日本ハリストス正教会では主の兄弟イヤコフと呼ぶ。義人ヤコブ(ぎじんヤコブ)とも呼ばれる。聖人の概念を持つ全ての教派で、聖人として崇敬されている。

ユリウス・ヴェルハウゼン

ユリウス・ヴェルハウゼン(Julius Wellhausen、1844年5月17日 - 1918年1月7日)は、ドイツの神学・聖書学・東洋学・言語学の学者。トーラー(モーセ五書)の批判的研究(文書仮説)で著名。

ヨハネス・ヴァイス

ヨハネス・ヴァイス(Johannes Weiss, 1868年12月13日 - 1914年8月24日)は、ドイツのプロテスタント神学者である。新約聖書学で共観福音書のQ資料の研究を行なった。

キールに生まれ、マールブルク大学、ベルリン大学、ゲッティンゲン大学、ブレスラウ大学で学んだ。そして、1890年にゲッティンゲン大学、1895年にはマールブルク大学、1908年にはハイデルベルク大学で教授として教鞭をとった。教え子たちに波多野精一やルドルフ・カール・ブルトマンなどがいる。1914年にハイデルベルクで生涯を終えるまで、多数の著作と論文を発表して、新約聖書批評学の発展に大きく貢献した。

ヴァイスの大きな貢献の一つは、終末論的観点からの福音書の包括的な釈義を最初に提示したことである。

ヴァイスは新約学に聖書批評学の概念を適用した。それはルドルフ・カール・ブルトマンを初めとする後継の学者たちによって発展された。ヴァイスは『コリント人への手紙第一』は一つの手紙ではなく、使徒パウロのいくつから手紙からの抜粋の寄せ集めであると考えた。

また、『マタイの福音書』と『ルカの福音書』の著者が使用したという資料の仮説に「Q資料」の名前を与えた。

レイモンド・エドワード・ブラウン

レイモンド・エドワード・ブラウン(Raymond Edward Brown, 1928年5月22日 - 1998年8月8日)はアメリカのローマ・カトリックの司祭で聖書学者であった。彼は、「ヨハネ共同体」の仮説に関する専門家と見なされていた。ヨハネの福音書の著者問題とイエスの誕生と死における影響力のある研究を書いた。ブラウンはニューヨークのプロテスタント・ユニオン神学校の名誉教授で、そこで29年間教えた。彼は、そこで最初の終身在職権を得たローマ・カトリックの教授であり、優れた講義で名声を得た。

ブラウンは、聖書の歴史的解釈を応用した最初のローマ・カトリックの学者だった。19世紀にプロテスタントの間で聖書批評学が発展した時に、ローマ・カトリック教会は1893年にこの研究に反対する宣告を出した。しかしながら、1943年には教会は、カトリックの学者達が聖書を歴史的に探索するためのガイドラインを発布した。ブラウンはこの回状を「聖書的進歩のマグナ・カルタ」と呼んだ。第2バチカン公会議は更に、高等批評とブラウンの方法論を弁護しているように彼は感じた。

ブラウンはカトリックの伝統主義者の間で論争を残した。ブラウンが聖書全体の無謬性を否定して、カトリック信仰の多数の伝承の歴史的正確さに疑問を投げかけたからである。

ロバート・M・プライス

ロバート・マクネイア・プライス(Robert McNair Price、1954年7月7日、ミシシッピ州出身)はUniversal Foundation for Better Livingとして知られるニューソート系団体に管理運営されたフロリダ州キャロルシティの無認可校であるジョニー・コレモン神学校の神学、精神的研究の教授である。

プライスはとくに正統派キリスト教信仰の宗教的懐疑論者(en:Religious skepticism)である。彼はショーやインタビューにおいて、ときどき自身を「クリスチャン無神論者」だと言う。彼はイエス・セミナーの古参であり、キリスト教の歴史に興味を持つ人々の為のウェブコミュニティの設立者でもある。

プライスは今はなき雑誌『Journal of Higher Criticism』を編集していた。そしてさらに宗教に関する多くの著書と論文がある。ラヴクラフトのクトゥルフ神話について幅広く書いている。

日本宣教百年記念聖書信仰運動

日本宣教百年記念聖書信仰運動(にほんせんきょうひゃくねんきねん せいしょしんこううんどう、Japan Protestant Centennial)は、1959年、日本におけるプロテスタントの宣教100年を祝うため、「聖書信仰」を軸として福音的な諸教団・教派が協力し展開された運動。

普及福音教会

普及福音新教伝道会(ふきゅうふくいんしんきょうでんどうかい,独:Allgemeiner evangelisch-protestantischer Missionsverein、略称:AEPM)は、日本のドイツ系の自由主義神学の団体である。日本の知識層、財界政界などの著名人に多くの影響を与えた。ドイツ・東アジアミッション(Deutsche Ostasienmission)ともいう。

本文批評

本文批評(ほんもんひひょう、英: textual criticism, 仏: critique textuelle, 独: Textkritik)とは、ある文書の現存する写本から、理論的に可能な限り、その文書の元来の形(英: Archetype)の再構成を目指す作業のこと。その手段となるのが、書誌学や文献学である。英米には、本文批評と書誌学を一体にした「本文書誌学」(Textual Bibliography)が存在する。なお、本文批評は本文批判、正文批判(正文批評)、テキスト批判(テキスト批評)、下等批判(下等批評、下層批判、lower criticism) とも呼ばれる。聖書研究の保守陣営からは聖書批評学と呼ばれることがある。

様式史研究

様式史研究(ようしきしけんきゅう、独:Formgeschichte, 英:form crticism)は、文学様式による聖書本文の分類による聖書批評学の方法である。

マルティン・ディベリウスによって書かれた「福音書の様式史研究」から、様式史批評という言葉が生まれた。また、カール・L・シュミットによって書かれた「史的イエスの枠組み」という書物によって、マルコの福音書の歴史的枠組みを自由主義的に解釈する流れができた。

さらに、ルドルフ・ブルトマンが1921年に「共観福音書の伝承史の研究」を著して、ディベリウスらの新約研究を発展させた。

様式史研究は口伝の形成過程において、それに強い影響を与えたものを仮定する。聖書本文は読者の記憶を助けるために各物語は同じ様式をもっているとする。様式史研究は、様式が初期のものと、後期のものに区別して、口伝が語り伝えられる中で様々なものが付加されていったとしている。

正統教義

正統教義(せいとうきょうぎ、orthodoxy)・正統主義(せいとうしゅぎ)とは異端(Heresy)に対する語である。多くの場合キリスト教に関係して用いられる。歴史的文脈によってその指す対象はさまざまに異なる。また教義と教理の語には相違がある。

一連の公会議、特に第2コンスタンティノポリス公会議までの古代の7つの世界公会議によって決定された教説に基づく教義、特に4~5世紀の古カトリック教会時代に生み出された信条(使徒信条、ニケヤ信条、アタナシウス信条など)に告白されている教義のこと。正統主義は、その教義に立つ立場のことである。

上からの派生で上記教理を継承すると自認する教会のこと。正統派。よく用いられる例としては次のものがある。

正教会の自己言及としての正教会。

ローマ・カトリック教会の自己言及としてのローマ・カトリック。

使徒継承教会(ローマ・カトリックと正教会)の自己言及としての使徒継承教会。

ルター派教会における主流派。とくに敬虔主義に対してこのように呼ぶ。

プロテスタントのうち、発祥を宗教改革の時期にまで遡れる比較的古い教派。「メインライン(主流派)」とも呼ぶ。福音派に対して、行政的宗教改革の教派を指す概念。

プロテスタントのうち、宗教改革の教理と、リバイバルの信仰を受け継ぐ聖書信仰(福音派と聖霊派)の教会。近代聖書批評学と自由主義神学により、キリスト教の本質とされる聖書の教理を捨て、ローマ・カトリック教会とエキュメニカル運動を行い、異教との行き過ぎた対話により混合宗教化する、リベラル派、エキュメニカル派プロテスタントに対して、旧来の福音主義信仰を持つ教派を指す概念。

これらの教派が一定の歴史的時代および場所において多数派を占めており、この名辞が多用されたことから、今日の思想史的研究において、とくにこれらの立場に共鳴を持たない中立的記述においても、これらの名辞は便宜上用いられるのが通例である。

民数記

『民数記』(みんすうき、ヘブライ語: במדבר‎、英語: Numbers)とは旧約聖書中の一書で、伝統的に四番目に置かれてきた。モーセ五書のうちの一書。イスラエルの民の人口調査に関する記述があることから、七十人訳聖書では『アリスモイ』(数)と呼ばれ、そこから民数記という名称が生まれた。ヘブライ語では冒頭の語から『ベミドバル』と呼ばれるが、これは「荒野にて」という意味である。

物語は出エジプトの出来事から二年二ヶ月後に始まり、ヨルダン川にたどりつくのが40年目であるとしている。

生活の座

生活の座(せいかつのざ、独:Sitz im Leben)は、ドイツのプロテスタント神学者ヘルマン・グンケルが作った神学用語である。紀元100年頃までのキリスト教の原始教団が礼拝、教育、訓練、論争を行ったと仮定される場をさす言葉である。

1906年に最初に「人々の生活の座」 (Sitz im Volksleben) という言葉で登場した。そして、1917年に「生活の座」 (Sitz im Leben) という言葉で登場した。生活の座は古い形式の聖書批評学で使われる。

一番有名なものとしては、ルドルフ・ブルトマンの神学における重要な神学用語として使われたことである。ブルトマンは共観福音書が歴史的な価値のある文献であることに疑問を持ち、福音書を様々な様式に分けて分類して、これらは原始教会(紀元100年頃まで)の生活の座で行われた、キリスト礼拝と宣教の中で語られたものであると主張した。これらをケリュグマ(宣教)と呼び、一番重要であるとした。そして、イエス・キリストの歴史性を疑った。

編集史研究

編集史研究(へんしゅうしけんきゅう、独: Redaktionsgeschichte, 英: Redaction criticism)は、聖書批評学の一つの方法である。単なる伝承の収集者であった聖書記者を、編集者としてみて、その役割を積極的に評価するのが編集史研究である。編集史批評とも呼ばれる。

1940年代から1950年代までに、ギュンター・ボルンカム、ハンス・コンツェルマンが、マタイの福音書とルカの福音書の著者がマルコの福音書を用いてどのように、自らの神学を表現したかということを論じた。

高等批評

高等批評(こうとうひひょう、英語:historical criticism、higher criticism)は、文学分析の一分野で、文書の起源の批判的調査である。近代聖書学によって使われた手法で、聖書を対象とする。上層批判または高等批判ともいう。

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