経済学

経済学(けいざいがく、: Economics)の原語であるEconomicsという語彙は、新古典派経済学者アルフレッド・マーシャルの主著『経済学原理』(: Principles of Economics, 1890年)によって誕生・普及したとされる[1][2]

日本語で「経済学」と言った場合、Economicsだけでなく政治経済学: political economy)を指す場合もあるため、本記事ではこの「政治経済学」も併せて解説する。

概要

定義

広辞苑には、「経済現象を研究する学問」とある[3]。(総じて経済活動が研究の対象となっている。)

経済学の最も古い定義は、アダム・スミスの『国富論』によるものである。

政治家や議員にとっての科学分野と看做されている経済学は、2つの違ったものを提示する。ひとつは、人々に豊富な利益ないしは製品を供給し、更には利益や必需品が人々に益を齎す(もたらす)ようにする方法、または、そうした収益を国ないしは社会にサービスとして提供し、結果として人々と統治者を豊かにする手立てである。
政治家あるいは立法者の科学の一部門としてみた、政治経済学は二つの違った目標を目指している。第一に、人民に豊富な収入または生活資料を提供すること、もっと適切には、かれらが自分たちでそういう収入または生活資料を調達できるようにすること、そして第二に、国家または共同社会に、公共の業務に十分な収入を、供給することである[4] — 河出書房新社版訳

また、1878年頃、フリードリヒ・エンゲルスは、経済学について次のように述べた。

経済学は、最も広い意味では、人間社会における物質的な生活資料の生産交換とを支配する諸法則についての科学である。経済学は、本質上一つの歴史的科学である。それは、歴史的な素材、すなわち、たえず変化してゆく素材を取り扱う。[5] — フリードリヒ・エンゲルス反デューリング論」第二篇 岩波書店

さらに、エンゲルスの盟友であり、マルクス経済学を確立したカール・マルクスは、『資本論』序言で次のように述べた。

問題なのは、資本主義的生産の自然諸法則そのものであり、鉄の必然性をもって作用し、自己を貫徹するこれらの傾向である。[6] — カール・マルクス資本論岩波書店

その後、経済学の定義について、ライオネル・ロビンズ1932年に『経済学の本質と意義』で最初に問題提起した。

他の用途を持つ希少性ある経済資源目的について人間行動を研究する科学が、経済学である[7] — ライオネル・ロビンズ、小峯敦・大槻忠志 共訳「経済学の本質と意義」京都大学学術出版会

しかし、こうした定義にはジョン・メイナード・ケインズロナルド・コースらからの批判もある。経済問題は性質上、価値判断道徳心理といった概念と分離する事は不可能であり、経済学は本質的に価値判断を伴う倫理学であって、科学ではないというものである[8][9]

一方で、とりわけゲーム理論の経済学への浸透を受けて、経済学の定義は変化しつつある。たとえば、ノーベル賞受賞者ロジャー・マイヤーソンは、今日の経済学者は自らの研究分野を以前より広く、全ての社会的な制度における個人のインセンティブ分析と定義できる、と述べた(1999年)[10]。このように現在では、資本主義貨幣経済における人や組織の行動研究するものが中心となっている。広義においては、交換取引贈与負債など必ずしも貨幣を媒介としない、価値をめぐる人間関係や社会の諸側面を研究する。このような分野は、人類学経済人類学)、社会学交換理論)、政治学公共選択論合理的選択理論)、心理学行動経済学)と隣接する学際領域である。

また、「このようにゲーム理論を軸として経済主体の行動を研究する分野は、クリアストリームユーロクリアに夥しい匿名口座が存在するという、行動として非合理的な、しかし実体経済にとりクリティカルな問題に答えることができない。」という意見もある。
しかし、これは既に証明されている『ゼロ和2人ゲームからゼロ和n人ゲームへの拡張の中で、質的に新たなることとして、結託が可能になる。(第2の拡張) 』『ゼロ和n人ゲームから変動和n人ゲームへの拡張の中で、n+1番目のプレイヤーは、n人の実質的なプレイヤーの総体によって勝ち取られる利得総量を失う者と仮定された架空のプレイヤーと考えられた。(第3の拡張)』を具体的な事象として記述しただけで有り、解決済みの問題である[11]

また、労働、貨幣、贈与などはしばしば哲学思想的考察の対象となっている。ただし、経済システムの働きに深く関わる部分については経済思想と呼ばれ、経済学の一分野として考えられることも多い[12]

特徴

科学性と非科学性(脱科学性)

自然科学と比べると、不確定要素の大きい人間が深く関わるできごとが研究対象である性質上、数理的理論・実験が困難な分野が多い人文科学社会科学の中において、特に、積極的な数理化を希求し、一部ではその検証を試みている研究もあることが挙げられる。そうした性質に着目し、経済学は「社会科学の女王」と呼ばれることがある[13]

しかしなお、心理が関与する人間の行動、そしてそうした人間が集団を構成した社会という複雑なシステム(複雑性複雑系)、さらに実際には不確定要素が多い複雑系の数学的モデル化は容易ではない。

現実の経済現象の観察、モデル構築、検証という一連の循環的プロセスによる研究方法は一部で存在するものの、いまだ十分であるとは言えないし、本当にそうした手法が経済学の全ての対象に対して実現可能であるのかどうかも定かではない、とされることもある。また、客観的に分析しているようであっても、実際には多かれ少なかれ価値判断が前提として織り込まれているということやそうでなければならないことは、上述のごとくケインズやコースが指摘している。また、経済学には多かれ少なかれ経済思想およびイデオロギーが含まれる[14]

数理的理論

理論経済学では、数学を用いたモデル化がなされる。関連の深い数学の分野として、位相空間論関数解析凸解析微積分確率論数理最適化などが挙げられる。確率微分方程式不動点定理など数学におけるブレイクスルーが経済学に大きく影響を与えることもある。ジョン・フォン・ノイマンジョン・ナッシュデイヴィッド・ゲールなどの数学者理論物理学者が経済学に貢献することも珍しくなく、チャリング・クープマンスマイロン・ショールズ宇沢弘文二階堂副包など数学、物理学、工学出身の経済学者も少なくない。

「現代になるまでは統計データが扱い難く実証が困難であり、このため経済学では数学を多用した論理的積み上げが大きく発展した。」との意見もあるが、経済理論と統計データおよび統計学は並行して進化してきたと捉えるのが妥当である。日本国内で考えても太閤検地(1591年)により国内の課税対象となる田畑の測量及び収穫量調査を行っていることからも明らかである。

実験・実証

統計学において経済関連の統計が主流分野として立脚していること、統計学者や経済学者と統計学者を兼ねる者が両分野の発展に大きく貢献してきたことからもわかるように、古くから社会全体を実験室に見立てて統計学を使い裏付ける方法が経済学において多用され影響を与えてきた。実証の現代の新潮流にはダニエル・カーネマンエイモス・トベルスキーバーノン・スミスなど心理学認知科学認知心理学)の流れをくみ『行動実験』を用いて消費者行動を裏付ける方法が強力な道具として提供され急成長している。この流れか行動経済学、神経経済学という分野も心理学者と心理学的素養を持つ経済学者によって生み出されている。

政策

経済学は、その誕生・分析対象が社会・政治・経済問題と不可分であったことから政策への提言として社会へ関わる機会が非常に多い。19世紀以降は、社会的な判断において経済学が不可欠となった。社会問題を対象としている性質からか、社会的不幸を予測する理論も多々生まれトーマス・カーライルによって「陰鬱な学問」とも呼ばれた[15]。先駆的政策(事実上の実験)の過程と結果から新たな学問的問題を提起したソビエト連邦による社会主義建設は失敗し「壮大な社会実験」として総括されているが、この社会主義的政策が、第二次世界大戦後日本で採られた傾斜生産方式のように社会に有益な影響を与えたのも事実である。ちなみに、近代経済学では傾斜生産方式の有用性について疑問符を投げかけている。

古典派経済学イギリス帝国20世紀初頭のアメリカの繁栄などで実証されたかにみえたが、世界恐慌や植民地帝国の解体によって軌道修正を余儀なくされる場面もあった。19世紀後半に古典派経済学の批判的研究からマルクス主義経済学が生まれ、その後の政治に大きな影響を与えた。他方、理論と結果への当てはめという試行錯誤が長く繰り返される中で経済学は発展し、近代経済学が成立した。しかし近代経済学もいまだ多くの問題を抱えている。

1980年代からゲーム理論が積極的に取り入られるようになり、特にメカニズムデザインと呼ばれる分野における成果はめざましい。具体的には、周波数オークションの設計、電力市場の制度設計、教育バウチャー制度の設計、臓器移植の配分問題の解決といったものが挙げられる。これらはいずれも経済学なくして解決できなかった問題であり、さらに経済学が現実の制度設計において非常に重要な役割を果たしていることの好例である。

経済学の対象

有限な事物の分配・生産が対象であり、人間が知覚できる有限性がなければ対象とはならない。例えば宇宙空間は未だに対象ではないが、東京に供給されるビル空間の量は対象である。その他にも、人間行動の心理的要素や制度的側面も重要な研究対象である。また、事実解明的分析規範的分析に分けられる。前者は理論的に説明・判断できる分析であり、後者は価値判断や政策決定に使われる分析である。例えば「財政支出を増やすと失業が減少する」は真偽が判明する分析であるが、「財政支出を増やして(財政赤字を増やしてでも)失業が減少したほうが良い」は価値判断が絡む分析である。

経済学と経営学

ここは捉える活動の大きさが大きい(マクロ)か、小さいか(ミクロ)か、の違いという意味だ。企業の経済活動を研究対象とする、という点では両者共通だが、マクロの経済学においては、日本の経済、アジアの経済、世界の経済といった大きなくくりでの研究となる。そこで用いられるのが「経済人」という考え方だ。すべての人間は客観的で経済合理的に行動すると考える。マクロで捉える場合、個人的な好みの差などは考えず、皆が同じ行動をすると考えるのである。これに対して、ミクロの経営学の場合は一つの企業、またはその企業の中の一つの部門、さらにはその中のグループを構成する個人、というレベルまで研究対象とする。この場合は中にいる人間が主役となるので、個人の差の問題までも考慮する。ここで用いられるのが「経営人」という考え方だ。経営人は経済人と違い、皆がすべて情報を持つのではなく、限られた情報をもとに、自ら満足・不満足、という基準で意思決定を行う限定的合理性に基づく行動をとると考える。[16]

歴史

経済学は、法学、数学、哲学などと比べて、比較的新しい学問である。経済学は、近世欧州列強の著しい経済発展とともに誕生し、その後資本主義経済がもたらしたさまざまな経済現象や経済システムについての研究を積み重ね、現代に至る。しかし、経済学の最初を遡るとすると、古代ギリシャプラトンの国家論にまで遡る。これらの思想は、共産主義思想にも影響を与えた。

重商主義学説

経済についての研究の始まりはトーマス・マン(1571年 - 1641年)によって書かれた『外国貿易によるイングランドの財宝』や、ウィリアム・ペティ(1623年 - 1687年)の『租税貢納論』、バーナード・デ・マンデヴィル(1670年 - 1733年)の『蜂の寓話』、ダニエル・デフォー(1660年 - 1731年)の『イギリス経済の構図』、デイヴィッド・ヒューム(1711年 - 1776年)の『政治論集』などに見られるような重商主義の学説である。この時代には欧州列強が海外植民地を獲得し、貿易を進めて急速に経済システムを発展させていた。

重農主義学説

1758年フランス重農主義の学派フランソワ・ケネー(1694年 - 1774年)が『経済表』を書き、国民経済の再生産システムを解明して、経済学の体系化の発端となった。

イギリス古典派経済学

AdamSmith
アダム・スミス。彼の著した『国富論』は経済学の創始とされる

1776年アダム・スミス(1723年 - 1790年)が資本主義工場生産について論じた『国富論』 (The Wealth of Nations)を執筆した。これが、現在の理論化された経済学の直系で最古の理論にあたる。そのため、スミスは、経済学の父と呼ばれている。経済学では、一般的に『国富論』を持って始まりとされる。また、デイヴィッド・リカード(1772年 - 1823年)の『経済学および課税の原理』、トマス・ロバート・マルサス(1766年 - 1834年)の『人口論』や『経済学原理』、ジョン・スチュアート・ミル(1806年 - 1873年)の『政治経済学原理』などが、スミスに続いて英国古典派経済学の基礎を築いていった。

マルクスによる批判と経済学の分裂

カール・マルクス(1818年 - 1883年)はイギリス古典派経済学を中心に当時の経済学を徹底して研究し、労働価値説を継承しつつ新たに価値論や剰余価値論を体系化し、資本の諸形態を再定義して資本主義経済の構造と運動法則の解明をおこなった。マルクスの長年にわたる経済学研究は主著『資本論』に結実した。

19世紀末に『資本論』が出版された後、経済学は大きく二系統に分かれていった。すなわち、近代経済学マルクス経済学である。近代経済学は、当時イギリスオーストリアなどで登場した「限界効用」学派を受け継ぎ、資本主義経済の現象を数値化して分析する手法を発展させた。他方、マルクス経済学は、資本主義経済の諸法則も諸概念も不変のものではなく、生成・発展・消滅する過程にあるものとしてとらえ、資本家は労働力に支払った以上の価値を労働力から取り出すという剰余価値説にもとづいて資本主義経済を分析した。この二派の系統は、思想的立場・分析手法・理論形態の違いにより、対立的な関係のまま発展を続けることとなる。

近代経済学

Keynes 1933
ジョン・メイナード・ケインズ。彼の理論はケインズ経済学として大きな影響を与えた

その後、近代経済学は、ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ(1798年 - 1855年)の『経済学の数学的一般理論の考察』や『経済学の理論』、レオン・ワルラス(1834年 - 1910年)の『純粋経済学要論』や『応用経済学研究』、カール・メンガー(1840年 - 1910年)の『国民経済原理』や『社会科学特に経済学の方法に関する研究』、アルフレッド・マーシャル(1843年 - 1924年)の『外国貿易と国内価値との純粋理論』や『経済学原理』、ジョン・メイナード・ケインズ(1883年 - 1946年)の『雇用・利子および貨幣の一般理論』、ヨーゼフ・シュンペーター(1883年 - 1950年)の『理論経済学の本質と主要内容』や『経済発展の理論』などの研究を通じて発展していくこととなる。

マルクス経済学

マルクスの後、マルクス経済学とよばれる流れは、カール・カウツキー(1854年 - 1938年)の『カール・マルクスの経済学説』や『エルフルト要領解説』、ルドルフ・ヒルファーディング(1877年 - 1941年)の『金融資本論』、ローザ・ルクセンブルク(1870年 - 1919年)の『資本蓄積論』、ウラジーミル・レーニン(1870年 - 1924年)の『ロシアにおける資本主義の発達』や『帝国主義論』などの研究を通じて継承・展開された。

しかしながら、マルクスの経済理論をモデル化して検証を行うと、理論の膨大さゆえにマルクスの理論体系は不整合に陥っており、以下の3つの矛盾を説明できない。(1)剰余価値率が諸部門間で均等化する。(2)技術進歩の結果利潤率は下落する。(3)技術進歩の結果利潤率は下落すると仮に言えたとしても、実質賃金もまた下落する[17]

現代

近代経済学マルクス経済学は、米ソ冷戦という現実政治の影響もあり、長期間にわたって対立した。ソ連崩壊・冷戦終了時には、古典的マルクス経済学に対する否定的研究が数多く行われ、非数理的・訓古主義的な性質が批判された。ソ連型社会主義で実施された統制経済の誤りがソ連・東欧の崩壊で明白になり、今日では、市場という需給調整のメカニズムを数理的に扱い発展した近代経済学が経済研究の中心となり、市場を通じて社会主義社会を目指すとしている中華人民共和国ベトナムなどでもマルクス経済学のみならず近代経済学の研究も行われるようになった。その一方で、近代経済学では、賃労働における搾取などの生産面での矛盾や貧富の格差の拡大、経済活動による自然破壊などを説明できないとのマルクス経済学者からの批判も続いている。

他方、近代経済学において、マルクス経済学が全否定されたわけではなく、一部は自らの経済学に取り入れられながら今日に至っている。また、アメリカ合衆国を中心とした西側資本主義国で発展させられてきた近代経済学は、非歴史的・非文化的で数理モデル一辺倒な性質をマルクス経済学者やポストケインジアンなどに指摘され、現在においては両者を学ぶことが求められているという声も存在する。近代経済学(新古典派経済学+ケインジアン)でも、マルクス経済学でもない経済学として、近年新しい体系がさまざまに模索されている。とくに1980年代以降、進化経済学が世界的に興隆してきており、新しい主流派を形成しつつあるという評価もある[18]。進化経済学以外にも、ポストケインジアンの経済学、オーストリア学派の経済学、複雑系経済学などがある。

論争

経済学は、存在自体が社会・政治・経済・政策と不可分であるため、学術的な論争や政策的な論争など数多の論争を生み出し消化してきた。それによって、経済学徒は、他学徒に「傲慢である」と印象を与えてしまうほど非常に攻撃的な知的スタイルを形成している。しかし、論争は、経済学にとって理論を洗練させブレイクスルーを起こす役割を担ってきた。このように、経済学と論争は、切っても切れない関係にあるといえる。ここでは、経済学において歴史的に重要な意味を持った論争を取り上げる。

学派

分野

理論

実証

応用

学際

思想史

経済学における主な用語・概念

基礎的概念、または両経済学に共通の概念
- 労働 - 資本 - 固定資本 - 流動資本 - 価格 - 賃金 - 利子 - 価値 - 利潤 - 貨幣
主流経済学
無差別曲線 - 限界代替率 - エンゲル係数 - 生産集合[31] - 需要と供給 - 一般均衡理論 - ジニ係数 - ローレンツ曲線 - 有効需要 - IS-LM曲線 - AD-AS曲線 - フィリップス曲線 - セイの法則 - インフレーション - デフレーション - スタグフレーション - リアルビジネスサイクル理論 - 費用便益分析 - レッセフェール
異端経済学
生産手段 - 剰余価値 - 絶対的剰余価値相対的剰余価値 - 不変資本可変資本

脚注

  1. ^ Viktor O. Ledenyov; Dimitri O. Ledenyov (2018). Business cycles in economics. Dusseldorf, Germany: LAP LAMBERT Academic Publishing. ISBN 978-613-8-38864-7.
  2. ^ 井澤 2011.
  3. ^ 広辞苑第六版【経済学】
  4. ^ アダム・スミス; 水田洋訳 『ワイド版 世界の大思想 スミス(国富論)』上巻 河出書房新社、2005年1月10日、353頁。ISBN 4-309-96187-8。
  5. ^ エンゲルス『反デューリング論』第二篇 経済学、岩波文庫版 一 対象と方法 9頁および10頁
  6. ^ カール・マルクス資本論』、岩波文庫版 一 序文 14頁
  7. ^ ライオネル・ロビンズ; 小峯敦・大槻忠志訳 『経済学の本質と意義』 (初版) 京都大学学術出版会、2016年1月25日、17頁。ISBN 9784876988853。
  8. ^ 小畑二郎 『ケインズの思想 不確実性の倫理と貨幣・資本政策』 (初版) 慶應義塾大学出版会株式会社、2007年11月10日、320-321頁。ISBN 978-4-7664- 1441-7。
  9. ^ ロナルド・H・コース; 宮沢健一 後藤晃 藤垣芳文訳 『企業・市場・法』 (3版) 東洋経済新報社、1993年2月1日、3-4頁。ISBN 978-4-4923-1202-5。
  10. ^ Myreson, R. B. 1999 Nash Equilibrium and the History of Economic Theory. Journal of Economic Literature, 37, no. 3, pp. 1067-1082
  11. ^ ハンス・ブレムス; 駄田井正 伊原豊實 大水善行 他訳 『経済学の歴史 1960-1980』 (初版) 多賀出版株式会社、1996年5月10日、398-399頁。ISBN 4-8115-4111-1。
  12. ^ ハンス・ブレムス; 駄田井正 伊原豊實 大水善行 他訳 『経済学の歴史 1960-1980』 (初版) 多賀出版株式会社、1996年5月10日、12-16頁。ISBN 4-8115-4111-1。
  13. ^ Henry Dunning Macleod, 1821-1902.,
  14. ^ 放送大学「もう一度みたい名講義~放送大学アーカイブス~ 近代経済思想('87)第1回 西部邁「経済思想とは何か」 」(2011.6.25 23:00~23:45放送) での西部邁の指摘
  15. ^ The dismal science、Wikipedia
  16. ^ Shinka suru nihon no keiei : Shakai toppu senryaku soshiki.. Okamoto, Daisuke, 1958-, Furukawa, Yasuhiro, 1962-, Sato, Yamato, 1963-, 岡本, 大輔, 1958-, 古川, 靖洋, 1962-, 佐藤, 和, 1963-. Chikurashobo. (2012.4). ISBN 9784805109915. OCLC 820755015.
  17. ^ ハンス・ブレムス; 駄田井正 伊原豊實 大水善行 他訳 『経済学の歴史 1630-1980』 (初版) 多賀出版株式会社、1996年5月10日、128-146頁。ISBN 4-8115-4111-1。
  18. ^ G. Hogdson 2007 Evolutionary and Instituional Economics as the New Mainstream? Evolutionary and Institutional Economics Review 4(1): 7.25. Eric D. Beinhocker 2006 The Origin of Wealth / Evolution, Complexity, and the Radical Remaking of Economics. Harvard Business School Press.
  19. ^ 「ケンブリッジ資本論争」の問題点 (pdf)” (1989年5月30日). 2016年6月1日閲覧。
  20. ^ 越後和典 (pdf) 『新オーストリア学派の国家論』 彦根論叢 滋賀大学〈第369号〉、2007年11月、97-113頁。2016年6月9日閲覧
  21. ^ 経済統計学会”. 2016年6月10日閲覧。
  22. ^ 福永文美夫 (2002年12月). “企業経済学の胚胎 ースミス、ミル、マーシャルの企業観ー (PDF)”. 久留米大学 商学研究. 2016年6月10日閲覧。
  23. ^ 大湾秀雄. “人事経済学 (PDF)”. 東京大学 社会科学研究所. 2016年6月10日閲覧。
  24. ^ 松繁寿和 (2012年4月). “人事の経済学 (PDF)”. 独立行政法人 労働政策研究・研修機構. 2016年6月10日閲覧。
  25. ^ 小原美紀 (2010年5月). “家計行動と開発経済学 (PDF)”. 大阪大学. 2016年6月10日閲覧。
  26. ^ 「金融経済学ハンドブック」 ISBN 4621076728, ISBN 4621076736 は"Handbook of the economics of finance" ISBN 0444513620, ISBN 0444513639 を翻訳したもので、Financial economicsについてのハンドブックである。政府の金融政策や銀行など金融仲介機関の分析に関連した分野(en:Monetary economics)と金融市場における金融商品の価格形成や投資家行動、企業の財務調達や資本構成に関連した分野(en:Financial economics)は共に日本語で金融経済学と呼ばれることがある。ただ一般的には金融経済学と言うと後者のFinancial economicsを指し、前者のMonetary economicsはマクロ経済学と同一視される場合が多い。
  27. ^ 山川俊和「自然資源貿易論の再検討」第7巻第2号、一橋大学大学院経済学研究科、2014年1月、 doi:10.15057/26133NAID 1200053735062016年6月10日閲覧。
  28. ^ エネルギー・資源学会 (2016年5月). “エネルギー・資源学会論文誌”. 一般社団法人 エネルギー・資源学会. 2016年6月10日閲覧。
  29. ^ 高橋孝明. “不動産情報の経済学:情報独占の弊害 (PDF)”. 東京大学 空間情報科学研究センター. 2016年6月10日閲覧。
  30. ^ 玉田康成研究会 6期生. “スポーツの経済学~プレミア・リーグ NFLの成功を探る~ (PDF)”. 2007年度三田祭論文. 2016年6月10日閲覧。
  31. ^ 阪本浩章 (2015年7月16日). “生産者理論入門 (PDF)”. 2016年6月9日閲覧。

引用文献

関連項目

外部リンク

インフレーション

インフレーション(英語: inflation)とは、経済学においてモノやサービスの全体の価格レベル、すなわち物価が、ある期間において持続的に上昇する経済現象である。日本語の略称はインフレ。日本語では「通貨膨張」とも訳す。主にマクロ経済学で研究される現象。

消費者物価指数(CPI:consumer price index)など各種物価指数の上昇率がインフレーションの指標となる。典型的なインフレは、好況で経済やサービスに対する需要が増加し、経済全体で見た需要と供給のバランス(均衡)が崩れ、総需要が総供給を上回った場合に、物価の上昇によって需給が調整されることで発生する。物価の上昇は貨幣価値の低下を同時に意味する。つまり同じ貨幣で買える物が少なくなる。

理想として成長下における緩やかなインフレが望ましく、実際にインフレ自体は好況下での発生する傾向があるが、まれに不況下にも関わらず物価が上昇を続けることがあり、こちらは区別しスタグフレーション(stagflation)と呼ばれる。反対に物価の持続的な下落をデフレーションという。

マルクス主義

マルクス主義(マルクスしゅぎ、ドイツ語: Marxismus)とは、カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスによって展開された思想をベースとして確立された社会主義思想体系の一つである。しばしば科学的社会主義(かがくてきしゃかいしゅぎ)とも言われる。

マルクス主義は、資本を社会の共有財産に変えることによって、労働者が資本を増殖するためだけに生きるという賃労働の悲惨な性質を廃止し、階級のない協同社会をめざすとしている。

エンゲルスは1883年に『空想から科学へ』を出版し、彼やマルクスの思想を社会主義思想、弁証法的唯物論、資本主義分析の三つの分野に分けて解説したうえで、唯物史観と剰余価値の発見によって社会主義は科学になったと説明した。また、レーニンは1913年に『マルクス主義の三つの源泉と三つの構成部分』を書き、マルクス主義の三つの源泉をドイツ哲学、イギリス経済学、フランス社会主義とし、マルクス主義の三つの構成部分を弁証法的唯物論、経済学、社会主義思想とした。

世帯

世帯(せたい、英: family, household)とは、

ひとつの家族として、独立して生活を営んでいる人々の集まり。

「世帯」も「世帯主」も法律で定義されていない法律用語であるが、広辞苑は「世帯」を「住居および生計を共にする者の集団」という意味の法律用語であるとしている。

日本語辞書には、「世帯(せたい)」と「所帯(しょたい)」とが、各々の字義や読みや用例(使用法)の違いにも拘わらず、ほとんど同義語であるかのように説明されている場合があるが、そういう辞書の場合でさえ、「所帯(しょたい)」のほうにのみ、「一身に帯びるもの。官職。資産。身代。領土。」、「もっている財産や得ている地位。身代。」、「一戸を構えて、独立の生計を営むこと。」、「一戸を構えて、独立の生計を営むこと。またその生活。」、「住居および生計を一つにして営まれている生活体」というように、「世帯」より遙かに具体的で明確な説明をしている。逆に言えば、「世帯」は、「所帯」より広漠とした、辞書編纂者でさえ心許(こころもと)ない、定義しにくい言葉と言える。

但し、国民健康保険税等の納税義務者および「家族手当」等の受給資格者という側面がある世帯主の法的定義に関しては、現行の住民基本台帳法(住民票、総務省管轄)の下でも「主として世帯の生計を維持する者」が必須の中心概念である事が判例により確定している。この住民基本台帳法下での世帯主の定義を厚生労働省も是認しており、保険局長通知で都道府県知事に通知している。

世界恐慌

世界恐慌(せかいきょうこう)とは、世界的規模で起きる経済恐慌(英語: world economic crisis/panic)である。ある国の恐慌が次々と他国へと波及し、世界的規模で広がる事象を世界恐慌という。

世界初の例は、クリミア戦争が終結した時に穀物価格が急落したことにより1857年に起こった1857年恐慌である。

戦間期に重要な位置を占めるものとして、通史的には1929年に始まった世界大恐慌をさす。大恐慌とも。この記事は通史でいう世界恐慌を述べている。

公立学校

公立学校(こうりつがっこう)とは、一般的には初等教育、中等教育段階において無料の教育を施す学校のことを指す。多くは税金によって運営される。

日本では、地方公共団体が設立した学校のこと。広義には国立学校も含める。

労働

労働(ろうどう、英: Labor)とは、

からだを使って働くこと。

(経済学)人間が自然に働きかけて、生活手段や生産手段などをつくり出す活動のこと。人間と自然との関係にかかわる、ある種の過程を「労働」と呼び、人間が自身の行為によって、自然との関係を統制し、価値ある対象を形成する過程を「労働」と呼ぶ。

人間は古今東西、太古から現代にいたるまで、どの地域でも、何らかの生産活動により生きてきた。そうした生産活動を「労働」と解釈するようになったのは、近代以降である。

生産活動は、いつの時代でも、何らかの表象体系(意味づけの体系)と関わりがある。人間が行っている現実の生産行為とそれを包括する表象とはバラバラではなく、一体として存在する。言い換えると、何らかの生産活動があれば、それを解釈し表現する言葉が伴うことになり、こうした言葉には特定の歴史や世界像(世界観)が織り込まれていると考えられている。“労働について語る”ということは、言葉で織り成された労働表象を語ることでもある。人間が自然との間に、生産活動を通しつつ関係を持つということは、こうした表象に端的に現れているような、ある時代特有の世界解釈を身をもって生きることでもある。(→#歴史)

労働する能力を持つ者を労働力(Labour Force)とよぶ。労働力において最大の割合を占めるのは賃労働をなす雇用者であり、EU諸国では75%以上が雇用者となっている。

資本主義社会では、労働は倫理的性格の活動ではなく、労働者の生存を維持するために止むを得ず行われる苦痛に満ちたもの、と考えられるようになった。マルクス主義においては「資本主義社会では、生産手段を持たない多くの人々(=労働者階級)は自らの労働力を商品として売らざるを得ず、生産過程に投入されて剰余価値を生み出すため生産手段の所有者(=資本家階級)に搾取されることになる」と説明されるようになった。(→#歴史)

現在、国際労働機関では、望ましい労働の形としてディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現を目標に挙げている。

博士(経済学)

博士(はくし)は、博士の学位であり、経済学に関する専攻分野を修めることによって、日本で授与されるものである。

1991年以前の日本では、経済学博士(けいざいがくはくし)という博士の学位が授与されており、経済学博士は、現在の「博士(経済学)」とほぼ同じものである。大学院によっては、博士(経済学)の中に、博士(経営学)や博士(商学)の対象とする研究領域を含んでいる場合が多い。

経済学博士は、1920年(大正9年)の学位令改正により追加された。それ以前は、法学博士の中に経済学の研究に関するものが含まれていた。日本で初めて経済学博士を授与されたのは、寺島成信(1923年。授与機関は東京帝国大学)である。

地域

地域(ちいき、英語: region)とは、地形が似通っている、同じ性質をもっているなどの理由からひとまとめにされる土地のこと。マルチスケールの概念である。

投資

投資(とうし、英: investment)とは、主に経済において、将来的に資本(生産能力)を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す(現代において、生産能力の増加しない商業活動はこれに含まない)。広義では、自己研鑽や人間関係においても使われる。

どのような形態の投資も、不確実性(リスク)が伴う。一般に、投資による期待収益率が高い場合、不確実性も高まる。この一般則に反する取引が可能な場合、裁定取引が行われ、収益率の低下またはリスクの増大が起こる。

政治経済学部

政治経済学部(せいじけいざいがくぶ)は、政治学・経済学を中心として社会科学を学ぶ大学の学部である。政経学部を正式名称としている大学もある。

東京大学大学院経済学研究科・経済学部

東京大学大学院経済学研究科(とうきょうだいがくだいがくいんけいざいがくけんきゅうか、英称:Graduate School of Economics)は、東京大学に設置される大学院研究科の一つである。また、東京大学経済学部(とうきょうだいがくけいざいがくぶ、英称:Faculty of Economics)は、東京大学に設置される学部の一つである。

経済学部と経済学研究科は一体となって運営されているため、この記事で合わせて解説する。

私立大学

私立大学(しりつだいがく、(英: private university)は、私立の大学のこと。略称は私大(しだい)である。「市立大学」と略称でも同音異字になることから、混同しないように口語では「わたくしりつだいがく」と言うこともある。

経営学

経営学(けいえいがく、英: business administration、英: business management)とは、広義には組織の運営について研究する学問である。対象は企業や組織とする場合が多いが、その二つを限定せず、あらゆる組織体(自治体・NPOなど)が経営学の対象となりうる。

狭義には組織体の効率的・効果的な運営のための長期的視野に立った理論の構築を目的とする学問と捉えられるため、その際は会計学やマーケティングなどの分野は除外される。

経済

経済(けいざい、希: οικονομία、羅: oeconomia、英: economy)とは、社会が生産活動を調整するシステム、あるいはその生産活動を指す。

経済学者

経済学者(けいざいがくしゃ、英: Economist)とは、経済の研究をしたり、その結果得られた理論やその体系(経済学)を社会に提言・実践したりする経済の専門家のこと。エコノミストともいう。

経済学部

経済学部(けいざいがくぶ)は、大学において経済学を中心とする教育・研究を行う学部である。授与する学位は、学士(経済学)が主な例である(学士号が称号であった時代には経済学士といった)。ただし、近年の経済学部はとりわけ学科の種類が多様であり、その分学位の名称も多様化している。

貨幣

貨幣(かへい、英: money)とは、

商品交換の際の媒介物で、価値尺度、流通手段、価値貯蔵の3機能を持つもののこと。

商品の価値尺度、交換手段として社会に流通しているもので、またそれ自体が価値あるもの、富として蓄蔵を図られるもの。

負債の一形式であり、経済において交換手段として受け入れられた特殊な負債のこと。特に現代経済においては、すべての経済主体が信頼する借用書のこと。今日、多くの国において貨幣として流通するものは、現金通貨(中央銀行券と鋳貨)と預金通貨(銀行預金)とされている。現代経済では貨幣の大半が銀行預金であり、借入れの需要に対する商業銀行の貸出しによって、預金という貨幣が新たに創造され、返済されることで消滅する。また、政府支出によって銀行預金が創造され、納税することで消滅する。現代の貨幣の信用・価値は国家の徴税権によって保証されている。

資本主義

資本主義(しほんしゅぎ、英: Capitalism)または資本制は、営利目的の個人的所有者によって商業や産業が制御されている、経済的・政治的システム。資本主義に基づく社会は「資本主義社会」「市民社会」「近代社会」「ブルジョア社会」等という。

資本主義は封建主義の後に現れた体制である。産業革命および、アメリカ独立革命やフランス革命等の資本主義革命(市民革命)によって確立された。資本主義は一切全てを商品化していく「市場システム」であり、諸々の近代国家に蓄積させ競合させる「世界システム」だとされる。その主体は企業であり、これが物財やサービスを生産し流通させている。構造的には、資本(としての生産手段)を私有する資本家が、労働者から労働力を買い、それを上回る価値のある商品を生産し、利潤を得ている。

資本主義の弊害に対し、修正や反対をする概念や立場には修正資本主義、反資本主義、社会主義、共産主義、国家主義(ナショナリズム)、国家社会主義(ナチズム)、結束主義(ファシズム)、第三の道、第三の位置等がある。また自由競争を更に推進する概念や立場には新自由主義、リバタリアニズム等がある。

通貨

通貨(つうか、英: currency)とは、流通貨幣の略称で、決済のための価値交換媒体。通貨を発行する国家もしくは、その地の統治主体の信用によって価値が変動する。その流通域での財政破綻や、信用が失墜する事によって、通貨の価値が無くなって紙切れになる場合もある。

通貨が無い時代の決済手段とされていた物々交換から、さらにモノやサービスの流動性を高めるために作られた経済形態である。

政府は租税の算定にあたって通貨を利用する。

モノやサービスとの交換に用いられる「お金(おかね)」を、経済用語では貨幣、または通貨と呼ぶ。通貨は、現金通貨と預金通貨に大別され、前者は紙幣・硬貨(補助紙幣)であり、後者は普通預金・当座預金などの決済口座である。

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