炭素質コンドライト

炭素質コンドライト(たんそしつコンドライト、Carbonaceous Chondrite)、またはC-型コンドライト、もしくは炭素質球粒隕石コンドリュールを含む石質隕石のうち、いろいろな化合物有機物の形で炭素原子を含むものをいう[1]。発見された隕石全体に占める炭素質コンドライトの割合は少なく、数十例である。

このタイプの隕石は、気化しやすい成分を多量に含んでいる。星間物質がいったん惑星などに集結すると重力エネルギーの開放によって高温となり、これらの成分は蒸発してしまうが、この隕石は固結してから200℃を超えたことはない。すなわち、原始惑星など大型天体の一部として取り込まれる過程を経ていない太陽系創生当時の原始の星間物質における、元素組成の情報を含んでいると考えられている。炭素質コンドライトのなかには、アミノ酸脂肪酸などの有機物もしばしば見出される。

炭素質コンドライトはさらにCI、CM、CH、CR、CKなどに分類される。Cのつぎの文字はそのグループを代表する隕石の名前から取られている(例としてはCIのIはイブナ隕石にちなむ)。炭素質コンドライトのうち、有名なものにはオルゲイユ隕石、イブナ隕石、マーチソン隕石タギシュ・レイク隕石アエンデ隕石カルーンダ隕石、NWA 801などがある。

ファイル:Carbonaceous 0chondrites.jpg
炭素質コンドライトのサンプル、左から、アエンデ隕石、ユーコン隕石、マーチソン隕石

出典

  1. ^ 隕石の分類国立科学博物館理工学研究部 米田成一)
CAI

CAI

コンピュータ支援教育(computer-assisted instruction または Computer Aided Instruction)の略称。

Calcium-Aluminium-rich Inclusion - 炭素質コンドライト隕石中に見出されるカルシウムとアルミニウムに富んだ(内包物)のこと。隕石が形成されてから一度も大きな天体に凝集しなかったため、初期の太陽系の成分をそのまま保存しているとされる。

エジプト・カイロにあるカイロ国際空港のIATA空港コード。

cai (ISO 639)

チャンギエアポートインターナショナル - チャンギエアポートグループの子会社。世界中の空港への投資、運営をしている。

アイルランド勅許会計士協会 (Chartered Accountants Ireland)

C型小惑星

C型小惑星( - がたしょうわくせい、英: C-type asteroid)は、炭素系の物質を主成分とする小惑星であり、既知の小惑星の約75パーセントがC型小惑星である。「C」は英語で炭素質を意味する形容詞「Carbonaceous」に由来する。C型小惑星は主に太陽から2.7天文単位(約4億キロメートル)以上離れた軌道を周回している。

アルベドが0.03前後という非常に暗い外観をしており、炭素の含有量が高い炭素質コンドライト隕石と類似した特徴を有している。太陽とほとんど同じ元素組成を持っているが、C型小惑星には水素、ヘリウム、その他の揮発性物質は含まれていない。

反射スペクトルは、2.5ミクロンまでの可視・近赤外域ではほぼ平坦であるものの、紫外域では暗くなる。含水鉱物に由来する3ミクロン帯での吸収を示すものもある。

C型小惑星は、さらに以下のように細かく分類される。

B型小惑星

F型小惑星

G型小惑星

P型小惑星

P型小惑星(P-type asteroid)は、低いアルベドと特徴のない赤みがかった電磁スペクトルを持つ小惑星の分類である。有機物の豊富なケイ酸塩、炭素、無水ケイ酸塩で構成され、内部には恐らく水の氷が存在すると推定されている。P型小惑星は、小惑星帯外縁部以遠で見つかる。

やまと 74662

Yamato-74662は日本の第15次南極探検隊が1974年10月下旬に南極やまと山脈の裸氷帯で発見した隕石である。

日本の南極探検隊による隕石の発見は第10次南極探検隊が1969年12月、9個の隕石を発見したのに始まり、1973年12月、第14次隊が、エイコンドライトの1種のハワーダイト1個を含む12個の隕石を発見した。

第15次隊の矢内桂三らは1974年10月、やまと山脈の地質調査に赴いたところ10数個の隕石を発見し、10km×10kmの区域を500m間隔で探索を行うと1日で200個の隕石を発見し、5日にわたって探索区域を広げることによって合計663個の隕石を発見した。662番目に発見されたYamato-74662はその後の研究で多数のアミノ酸類が検出された。

南極の山脈の裸氷帯に隕石が大量に集積されるのは、南極内陸部の広い範囲に落下した隕石が大陸氷床によって運搬され、山脈に遮られ、氷床が消耗して隕石が残されることによる。その後も南極での隕石探査が続けられ日本は16,000個を越える隕石を保有することとなった。

Yamato-74662はCM-2に分類される炭素質コンドライトで重量は150.9 gである。

アエンデ隕石

アエンデ隕石(アエンデいんせき、Allende meteorite)は1969年2月8日の朝、メキシコに落下した隕石雨である。火球は広い範囲で観察され、大気中で爆発して数千の破片となった隕石はメキシコのチワワ州のアエンデ村の近くの10×50kmの範囲に隕石雨となって落下した。落下した隕石の総重量は5トンと見積もられ、そのうち約3トンが回収された。

アエンデ隕石は炭素質コンドライトに分類され、アルミニウムやカルシウムに富む含有物(CAI:Calcium-aluminium-rich inclusion)やコンドリュールが見られる。それまで希少であった炭素質コンドライトのサンプルが大量に入手されたことや、アポロ11号によって月の石が持ち帰られ、惑星科学の発展が始まる時期であったので最も科学的な研究が行われた隕石であるとされる。

アエンデ隕石のCAIは45.66億年前に形成されたものであり、これは発見されている物質の中で太陽系最古の物質である。また、5μmほどの炭化ケイ素(モアッサン石・Moissanite)が含まれており、これは超新星爆発の際に吹き飛ばされた粒子と判明している。

アエンデ隕石からは2007年~2009年にかけて「グロスマン輝石 (Grossmanite)」、「デイビス輝石 (Davisite)」など、7種類の新鉱物が発見されている。このうちスカンジウムとジルコニウムの酸化鉱物にはこの隕石の名に因み「アエンデ石(Allendeite)」と名づけられた。

エンスタタイト・コンドライト

エンスタタイト・コンドライト(Enstatite chondrites)は石質隕石の分類のひとつである。地球に落下した石質隕石のうち2%程度がエンスタタイト・コンドライトである。構成する主要な鉱物の輝石が頑火輝石(エンスタタイト)であるのでエンスタタイト・コンドライトと呼ばれる。

還元的な環境で形成されたと考えられ、鉄の酸化物は含まれず、鉄はFe-Niや硫化鉄の形で含まれている。エンスタタイト・コンドライトは地球では見られない、オルダマイト(oldhamite:CaS)やニニンジャライト(niningerite:MgS)、ペリライト(perryite:鉄、ニッケルの珪素化合物)、djerfisheriteや caswellsilveriteのようなアルカリ金属の硫化物が含まれる。酸素の同位体分析からは普通コンドライトと炭素質コンドライトの中間に位置し、地球や月の岩石に近い。大部分のエンスタタイト・コンドライトは母天体で熱変成を受けている。

エンスタタイト・コンドライトは金属成分の比率によって分類され金属の多いEH型(約29%鉄)とEL型(約22%鉄)に分類されるが共通の母天体で生成されたと考えられている。

エンスタタイト・コンドライトとして代表的なものにはエイビー隕石などがある。

オルゲイユ隕石

オルゲイユ隕石(オルゲイユいんせき、Orgueil meteorite)は1864年に、南フランスのタルヌ=エ=ガロンヌ県オルゲイユ近郊に落下した隕石である。CI-炭素質コンドライトに分類される隕石としては最も大きなものの1つで、最も研究された隕石の1つである。

1864年5月14日、オルゲイユ近郊の数km2の範囲に約20個の隕石破片が落下し、最大の破片は14kgであった。これまで約10個しか見つかっていないCI-炭素質コンドライト隕石の1つである。オルゲイユ隕石に関する研究結果には、超新星爆発で生成されたと考えられる陽子捕獲過程(rp過程)や早い中性子の捕獲過程(r過程)によって生じる、特殊な同位体の組成を持ったキセノン(キセノン HL)が検出されたことなどがある。キセノンHLはコンドライトに含まれる微小なダイヤモンドが保持していた。

研究のために、試料が切り出されたが、11kgの最大のサンプルはタルヌ=エ=ガロンヌ県のモントーバンの自然史博物館にある。

カルーンダ隕石

カルーンダ隕石(カルーンダいんせき)は、1930年11月25日にオーストラリアのカルーンダに落下した隕石である。

炭素質コンドライトのCKタイプに分類される。総重量は41.73kg。

コンドライト

コンドライト (英: chondrite) は、石質隕石(ケイ酸塩鉱物を主要組成とする隕石)のうち、コンドルールという球粒状構造を持つ隕石である。

ただし、コンドルールはないがコンドルールのある隕石に似た化学組成のCIコンドライトも、コンドライトに分類される。

コンドルール

コンドルールまたはコンドリュール(chondrule)とは、多くの隕石に含まれている球状の粒子である。コンドリュールという名称は、古代ギリシャ語のchondoros(『粒』)に由来する。

サッターズミル隕石

サッターズミル隕石(サッターズミルいんせき、英: Sutter's Mill meteorite)は、2012年4月22日にアメリカ・カリフォルニア州に落下した炭素質コンドライトである。一般的な炭素質コンドライトとは異なり、変成度合が様々な砕屑物が堆積し固着したレゴリス角礫岩(ブレッチャ)で、その中に細かい捕獲岩を含んでいる。地上に到達し回収された隕石としては、過去最高の速さで大気圏に突入した。隕石の落下から、最初の破片の回収までも非常に早かったため、太陽系研究において貴重な試料となっている。

タギシュ・レイク隕石

タギシュ・レイク隕石(タギシュ・レイクいんせき、Tagish Lake meteorite)は、2000年1月18日16時43分(UTC)にカナダ・ユーコン準州からブリティッシュコロンビア州にまたがるタギシュ湖(Tagish Lake)付近に落下した隕石である。

テミス族

テミス族 (Themis Asteroid Family) は小惑星帯(メインベルト)の中でも外縁部に位置する小惑星族で、平山清次が発見した平山族のひとつ。太陽からの平均距離3.13天文単位付近に密集している。

多数の小惑星を含むかなり境界がはっきりしたコアと、少数の小惑星を含む周辺領域からなる。コアグループにはこの小惑星族の名前の由来であるテミスも含まれる。

テミス族の小惑星はほとんどが下記の範囲にある。

テミス族は最大級の小惑星族であり、最も早く見つけられた小惑星族の一つである。そして炭素質コンドライトが主成分だと考えられているC型小惑星で構成されている。2005年の時点でテミス族の小惑星はおよそ535個が知られている。有名なところでは下記のようなものが挙げられる。

(24) テミス

(62) エラト

(90) アンティオペ

(104) クリメネ

(171) オフィーリア

(468) リーナ

(526) イエナ

(846) リッペルタ

(7968) エルスト・ピサロ彗星 - 彗星・小惑星遷移天体

(118401) LINEAR - 彗星・小惑星遷移天体

(300163) 2006 VW139 - 彗星・小惑星遷移天体

バティスティーナ (小惑星)

バティスティーナ (298 Baptistina) は小惑星帯にある小惑星の一つ。

1890年9月9日にニースでオーギュスト・シャルロワによって発見された。フランス語の女性の名前が付けられたが、正確な由来は不明である。

フローラ族と似た軌道だが、実際には別の族であることが分かっている。

ベガ1号

ベガ1号(Vega 1)は、ソビエト連邦のベガ計画で用いられた宇宙探査機である。以前のベネラ計画の探査機を改良してBabakin Space Centerで設計され、5VKとしてLavochkinで製造された。

2つの大きな太陽電池から電力を供給され、アンテナ、カメラ、分光計、赤外線音響器、磁気センサ、プラズマプローブ等の科学機器を搭載した。4,920kgの探査機は、プロトン 8K82Kでバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。ベガ1号とベガ2号は三軸安定性で、ハレー彗星の塵から保護するためのシールドを備えていた。

ベンチ・クレーター隕石

ベンチ・クレーター隕石(ベンチ・クレーターいんせき、Bench Crater meteorite)は1969年11月15日に採集されて、アポロ12号の月面探査で持ち帰られた土壌サンプルの中から発見された隕石の破片である。"嵐の大洋"の中の"既知の海"の着陸点の近くの微小クレーター、ベンチ・クレーターで発見された。地球外で採集された最初の隕石である 。

アポロ12号のミッションでピート・コンラッドとアラン・ビーンは月面でのべ31.5時間の船外活動を行い、31kgの土壌サンプルを持ち帰った。レゴリス12037のサンプルから3mmほどの破片、サンプル名、112-6が隕石破片と同定された。1971年にウッドがタイプIIの炭素質コンドライトであることを発表し、1976年にマクシーンが成分調査の結果を報告した。

マティルド (小惑星)

マティルドまたはマチルダまたはマチルデ(253 Mathilde)は小惑星帯に位置する小惑星。1885年11月12日に、ウィーンでヨハン・パリサによって発見された。天文学者モーリス・ローイの妻の名前から命名されたと考えられている。

1997年6月、(433) エロスへ向かう途中の探査機「NEAR」によって観測が行われた。これは原始的なC型小惑星で、探査機が訪れた最初のC型小惑星である。

2004年と2006年に福島県で掩蔽(えんぺい)が観測された。

石質隕石

石質隕石(せきしついんせき)は、主にケイ酸塩鉱物からなる隕石である。

隕石の空中爆発の一覧

いくつかの隕石の空中爆発は記録されている。ただし「爆発」という表現は正確ではなく、実際には隕石が分裂した際に表面積が大きくなるために発光が増光した現象を指している。この分裂は、大気を通過する際の圧力に隕石が耐え切れなくなった時に起こる現象である。

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