地理座標系

地理座標系(ちりざひょうけい、: Geographic coordinate system)とは、地球および天体上の地点を表すための座標系である。

地理座標は、通常は地球を回転楕円体地球楕円体)と見なし、その表面上における水平位置を表す経緯度と垂直位置を表す高度との組み合わせで表現される。

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緯線(水平)と経線(垂直)を表示した地球の地図large version (pdf, 3.12MB)
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地球の地理座標系。左が経度,右が緯度

緯度と経度

緯度は、与えられた地球の表面点の垂線鉛直線)と赤道面のなす角である。同じ緯度の地点を結んだ線は緯線と呼ばれ、赤道に平行な同心円になる。北極は北緯90°、南極は南緯90°である。0°の緯線は赤道であり、球面座標系の基本平面となる。赤道は地球を北半球南半球に分割する。

経度は、与えられた地球の表面点を通り北極から南極に引いた経線本初子午線とがなす角である。全ての経線は半円を描き、平行にはならず、北極と南極で一点に集まる。

ロンドン近郊のグリニッジ天文台の真下を通る経線(グリニッジ子午線)が本初子午線に選ばれている。これより東にある地点は東半球、西にある地点は西半球である。グリニッジ対蹠地の経度は西経180°であり、東経180°である。

これらの2つの座標を組み合わせることで、地球上のあらゆる場所を指定することができるが、高さ、深さに関しては考慮されない。

ユニバーサル横メルカトル図法とユニバーサル極平射図法

ユニバーサル横メルカトル図法(UTM)とユニバーサル極平射図法(UPS)の座標系は、どちらも地球表面から等角写像の性質を有しつつ投射された、距離計量に基づいたデカルト格子を用いる。UTMは単射ではなく、それぞれが60の領域に対応する複射である。UPSは、UTMでカバーされない極地方を表すのに用いられる。日本では、UTMとは別に国土を19の地域に分けてガウス・クリューゲル図法により平面に投射させた「平面直角座標系」を設定している[1]

立体射影座標系

中世には、立体射影座標系が航海に用いられていたが、立体射影座標系は緯度-経度系に取って代わられた。

航海ではもう用いられていないが、立体射影座標系は現在でも材料科学の分野で結晶の幾何学的配置を表現するのに用いられている。

測地高度

地球上、内、上空の地形学的な位置の特定を完成させるためには地球表面からの垂直の高さを決定する必要がある。「表面」や「垂直」という用語が曖昧なため、より正確な海抜等の測地系が用いられるのが一般的である。それぞれの国が自身の測地系を定めている。例えば、日本では日本水準原点に基を置いている。[2]

デカルト座標系

球面座標系で表される全ての点は、三次元直交座標系で表すことができる。これは地図上の地点を記録するのに適した方法ではないが、距離の計算やその他の数学的操作を行うのには有益である。原点は通常、地球楕円体の中心に置く。日本では「地心直交座標系」として設定されている[3]

地球の形

地球の形は真球ではなく、おおよそ地球楕円体の形である。これは球の形に近いが、赤道部分が膨らみ、赤道周りの直径は極を結んだ直径より0.3%大きくなっている。短軸は自転軸とほぼ一致している。地図製作者は、地図を製作する領域を記述するのに最も適した楕円体を選択することができる。彼らはその後に楕円体を平面に表現するのに最も適した座標系を選択する。

初期の航海者は海を平面だと考えており、鉛直データが用いられたが、これは真実とはかなり異なる。地球はその重力場内で等しい位置エネルギーの層が何重にも重なったものだと考えることもできる。高さはその表面からの鉛直距離で測られる。これらの層の形は不規則であるが、おおよそ楕円体である。高さを定義するのにどの層を用いるかは任意である。我々が用いる基準の高さは、世界の海の平均海面高に近い値である。これはジオイドと呼ばれる[2][4]

地球は静的ではなく、プレート運動地盤沈下、月や潮汐力による日周運動によって、地点間の相対的な位置は常に動いている。日周運動は、メートルのレベルに達する。大陸移動は1年に10cm、1世紀で10mになる。高気圧に覆われた地域は5mm程度沈んでいる。スカンジナビア半島は、前の氷河期にできた氷床が溶けることによって1年に1cmずつ隆起しているが、隣のスコットランドは0.2cmしか隆起していない。これらの変化は、地域のデータを使う際には大したことがないが、GPSのデータを使う際には考慮する必要がある。

長さの単位としての経緯度の表現

地球を理想的な回転楕円体と見立てたとき、楕円体表面上での子午線弧長は緯度によって異なる値となり、平均的なおおよその値は、緯度1秒で31m、緯度1分で1.8km、緯度1度で110kmである。経線で交わり、1秒当たりの東西間の距離(平行圏弧長)もやはり緯度に依存する。赤道上でのおおよその値は、経度1秒で31m、経度1分は1.9km、経度1度で111kmである。緯度30°の地点では、経度1秒に相当する平行圏弧長は約27m、緯度60°では約16mである(以上理科年表による)。

緯度の地点の経度1度当たりの平行圏弧長は、次の公式で表される(分や秒で表す時には、それぞれ60、3600で割ればよい)。

ここで、は地球の赤道半径、離心率で、扁平率の関係がある。

以下の表では、地球の赤道半径及び扁平率は、GRS 80地球楕円体の値を採用し、それぞれ(正確に)6 378 137 m1/298.257 222 101としている。

GRS 80地球楕円体上におけるそれぞれの緯度での経度当たりの平行圏弧長
緯度 近傍の代表的な都市 ±0.0001°
60° サンクトペテルブルク 55.80 km 0.930 km 15.50 m 5.58 m
45° ボルドー 78.85 km 1.314 km 21.90 m 7.89 m
30° ニューオーリンズ 96.49 km 1.608 km 26.80 m 9.65 m
15° マニラ 107.55 km 1.793 km 29.88 m 10.76 m
キト 111.32 km 1.855 km 30.92 m 11.13 m

測地系

緯度や経度の値は、いくつかの異なる測地データに基づいている。そのうち最も一般的なものは、全てのGPS装置で使われているWGS 84である。しかしその他のデータも、それぞれの地域を表現するのに最も適しているとして、各国の地図製作組織に用いられているため、重要である。簡単な翻訳によって、ある作図法の座標系から別の系に変換できることもある。例えば、ETRF89 (GPS)からIrish Gridに変換するには、東に49m足し、北に23.4m引けばよい[5]。正確には、ヘルメルト変換を行う必要がある。これには、球面座標系から直交座標系、またその逆への変換も含まれる[2]

主な地理情報システムのソフトでは、緯度/経度のデータは'Geographic Coordinate System'で表示されることが多い。例えば、1983年のNorth American Datum(NAD83)は、'GCS North American 1983'と表示される。

静止衛星

放送衛星など静止軌道の衛星は、地球の緯度0(赤道上空)で、一定の経度の位置に静止している。

脚注

  1. ^ http://www.gsi.go.jp/LAW/heimencho.html 平面直角座標系(平成14年国土交通省告示第9号)
  2. ^ a b c A Guide to coordinate systems in Great Britain v1.7 Oct 2007 D00659 accessed 14.4.2008
  3. ^ http://www.gsi.go.jp/LAW/chisincho.html 地心直交座標系(平成14年国土交通省告示第185号)
  4. ^ DMA Technical Report Geodesy for the Layman, The Defense Mapping Agency, 1983
  5. ^ Making maps compatible with GPS Archived 2011年7月21日, at the Wayback Machine. Government of Ireland 1999. Accessed 15.4.2008

参考文献

  • Portions of this article are from Jason Harris' "Astroinfo" which is distributed with KStars, a desktop planetarium for Linux/KDE. See [1]

関連項目

外部リンク

南緯50度線

南緯50度線(なんい50どせん)は、地球の赤道面より南に地理緯度にして50度の角度を成す緯線。南緯50度線はその大部分が公海上を走っており、大西洋、インド洋、太平洋、チリ、アルゼンチンを通過する。

この緯度の下では、夏至点時は16時間22分で、冬至点時の可照時間は8時間4分である。また、太陽の南中高度は夏至点時で63.83度で、冬至点時は16.17度である。

南緯65度線

南緯65度線(なんい65どせん)は、 地球の赤道面より南に地理緯度にして65度の角度を成す緯線である。

この緯線は南極大陸と南極海を通過する。この緯度の下では、夏至点時の可照時間は22時間3分であり、冬至点時の可照時間は3時間35分である。

南緯75度線

南緯75度線(なんい75どせん)は、 地球の赤道面より南に地理緯度にして75度の角度を成す緯線である。

この緯線は南極大陸と南極海を通過する。この緯度の下では、11月上旬から2月上旬までの約3か月の間は白夜になり、5月上旬から7月上旬までの約3ヶ月の間は極夜になる。

常陸国

常陸国(ひたちのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。東海道に属する。

上総国・上野国とともに親王が国司を務める親王任国であり、国府の実質的長官は常陸介であった。

本州

本州(ほんしゅう)は、島国である日本の最大の島である。極東そして東アジアの沿岸沖に位置し、最高標高3,776m、面積227,942.85km2。世界の島の中では、面積はインドネシアのスマトラ島に次ぐ第7位、人口はジャワ島に次ぐ第2位である。

地質学や考古学などでは本州島という名称も使用される。

本州には34の地方公共団体がある(1都2府31県)。日本国内では、本州とその付随する島を合わせて「本州地方」と言うが、単に「本州」と呼称する場合もある。

「本州」という名は、日本の主要な島であることに由来し、古代の呼称は「秋津島」・「秋津洲」(あきつしま、あきづしま)などが知られる(本州#歴史書における呼称)。

東京地方裁判所

東京地方裁判所(とうきょうちほうさいばんしょ)は、東京都千代田区にある日本の地方裁判所の一つで、東京都を管轄している。略称は、東京地裁(とうきょうちさい)。立川に支部を置いている。

東経105度線

東経105度線(とうけい105どせん)は、本初子午線面から東へ105度の角度を成す経線である。北極点から北極海、アジア、インド洋、南極海、南極大陸を通過して南極点までを結ぶ。東経105度線は西経75度線と共に大円を形成する。

東経65度線

東経65度線(とうけい65どせん)は、本初子午線面から東へ65度の角度を成す経線である。北極点から北極海、ヨーロッパ、アジア、インド洋、南極海、南極大陸を通過して南極点までを結ぶ。

東経65度線は、西経115度線と共に大円を形成する。

東経90度線

東経90度線(とうけい90どせん)は、本初子午線面から東へ90度の角度を成す経線である。北極点から北極海、アジア、インド洋、南極海、南極大陸を通過して南極点までを結ぶ。東経90度線は、西経90度線と共に大円を形成する。

東経95度線

東経95度線(とうけい95どせん)は、本初子午線面から東へ95度の角度を成す経線である。北極点から北極海、アジア、インド洋、南極海、南極大陸を通過して南極点までを結ぶ。

東経95度線は、西経85度線と共に大円を形成する。

甲斐国

甲斐国(かいのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。東海道に属する。

筑前国

筑前国(ちくぜんのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。西海道に属する。

西経130度線

西経130度線(せいけい130どせん)は、本初子午線面から西へ130度の角度を成す経線である。北極点から北極海、北アメリカ、太平洋、南極海、南極大陸を通過して南極点までを結ぶ。

西経130度線は、東経50度線と共に大円を形成する。

西経155度線

西経155度線(せいけい155どせん)は、本初子午線面から東へ155度の角度を成す経線である。北極点から北極海、北アメリカ、太平洋、南極海、南極大陸を通過して南極点までを結ぶ。西経155度線は、東経25度線と共に大円を形成する。

西経165度線

西経165度線(せいけい165どせん)は、本初子午線面から東へ165度の角度を成す経線である。北極点から北極海、北アメリカ、太平洋、南極海、南極大陸を通過して南極点までを結ぶ。西経165度線は、東経15度線と共に大円を形成する。

西経35度線

西経35度線(せいけい35どせん)は、本初子午線面から西へ35度の角度を成す経線である。北極点から北極海、グリーンランド、大西洋、南アメリカ、南極海、南極大陸を通過して南極点までを結ぶ。

赤道

赤道(せきどう、英語: Equator、スペイン語: Ecuador、ポルトガル語: Equador)は、自転する天体の重心を通り、天体の自転軸に垂直な平面が天体表面を切断する、理論上の線。緯度の基準の一つであり、緯度0度を示す。緯線の中で唯一の大円である。赤道より北を北半球、南を南半球という。また、天文学では赤道がつくる面(赤道面)と天球が交わってできる円のことを赤道(天の赤道)と呼ぶ。天の赤道は恒星や惑星の天球上の位置(赤緯、赤経)を決める基準となる。

以下、特に断らないかぎり地球の赤道について述べる。

越前国

越前国(えちぜんのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。北陸道に属する。

越後国

越後国(えちごのくに)は、かつて日本の行政区分だった令制国の一つ。北陸道に属する。

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