アラビア語

アラビア語(アラビアご、اللغة العربية, UNGEGN式:al-lughatu l-ʻarabīyah, アッ=ルガトゥル=アラビーヤ、العَرَبِيَّة, al-ʻarabiyyah [ʔalʕaraˈbij.ja] ( 音声ファイル)عَرَبِيّ ʻarabī [ˈʕarabiː, ʕaraˈbij] ( 音声ファイル))は、アフロ・アジア語族セム語派に属する言語の一つ。主に西アジア北アフリカアラブ世界で話されている。ISO 639による言語コードは、2字が ar 、3字が ara で表される。

世界で3番目に多くの国と地域で使用されている言語であり、アラビア半島やその周辺、サハラ砂漠以北のアフリカ北部の領域を中心に27か国で公用語とされており、また、国連公用語においては、後から追加された唯一の言語でもある。

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Arabic speaking world
アラビア語が公用語の国・地域
緑:アラビア語が唯一の公用語
青:アラビア語がいくつかの公用語の一つ

概要

「アラビア語」は、もともとアラビア半島で話されていたが、北アフリカやイラク、シリア方面まで広がった。現代において使用されているアラビア語は、次の2つに大きく分類されている。

  • 文語(昔のアラビア語、もしくはクルアーンに使用されている):フスハー(正則アラビア語・現代標準アラビア語 (MSA) とも。古典アラビア語を基盤とし、現代世界に対応する語彙を大きく加えたもの)
  • 口語:アーンミーヤ(各地の方言に分かれる)

フスハー

フスハー(正則アラビア語)はアラブ諸国の共通語であり、アラビア文字で書かれる。起源は西暦4世紀ごろのアラビア半島にさかのぼるといわれ、イスラーム文明の出現と拡大にともなって北アフリカにまで使用地域が広がり、現在まで言語として大きく変わらずに使われている。

イスラームの聖典であるクルアーンは古典アラビア語で書かれているが、これはムハンマドがいたヒジャーズ地方のアラビア語をかなり反映していると考えられる。クルアーンの記述によれば、イスラームを伝えるために神が選んだのがアラビア語だったことから、ムスリムはこれを「アッラーの言葉」としてとらえている。クルアーン(コーラン)はアラビア語で詠唱して音韻をふむように書かれ、またアラビア語原典がアッラーが人類に与えたオリジナル版とされるため、翻訳は教義上原則禁じられる[注釈 1]。クルアーンの勉強や暗誦は敬虔なイスラム教徒の必須の義務とされるが、クルアーンを学ぶためには必然的にアラビア語を読めなくてはならず、アフリカからトルコインド東南アジアにかけてのイスラム圏では、アラビア語がイスラム知識人層の共通語として通用している。

マカーマート』〈訳は平凡社東洋文庫全3巻〉のような古典に見られる書き言葉は、とくにオスマン帝国の時代に一時期衰退したが、話し言葉は続けて用いられていた。文語は近代になってより簡単なものとして練り直され、近代以降の新しい概念に対応する新語が大量に追加されることで、現代において使用されている現代標準アラビア語が成立した[1]。こうしてフスハーはアラビア語において公的な面を代表する言語となり、宗教関係のほかに、学術関係や書籍雑誌新聞などの文章はもちろん、公的な場での会話やテレビニュースなどの改まった場においても使用されるようになった[2]。公的な言語であるためアラビア語の教育もすべてフスハーで行われているが、逆に言えばフスハーは学校で「習う」アラビア語である。ただし文語でありあくまでも公式な場で使用されるものであるため、日常会話においてフスハーが使用されることはない。

アーンミーヤ

一方、アーンミーヤ(方言)は、日常会話で用いられる話し言葉を指す。現代の話し言葉としてのアラビア語は、国・地域によって異なる地域変種(ラハジャ)に分かれ、これには正字法が無い。日常会話はこの話し言葉で話されるが、私信などではこれを文字化して表現する。また、大衆向けの小説や演劇、詩歌は現代口語の諸変種で書かれる。 

湾岸方言ヒジャーズ方言イラク方言シリア方言レバノン方言パレスチナ方言エジプト方言スーダン方言マグリブ方言ハッサニヤ方言などに大別され、それぞれの地域のなかでも違いがある。地域によっては、宗派ごとに話されるアラビア語に差異があるなどする。また、生活形態によっても、地域を越えてそれぞれ共通の特徴がある。遊牧民方言、農村方言、都市方言の3つに分けられる。

現代アラブ世界でのフスハーとアーンミーヤの関係は、中世カトリック教会地域におけるラテン語ロマンス諸語の関係に似ている。後者が前者から派生し(異論もある)、多くの変種に分かれていること。前者が日常語としては死語であるが、公的な話し言葉、書き言葉として通用し、後者は基本的に書かれることはまれであることが、その理由である。このことから、言語学においてアラビア語はダイグロシア(二言語使い分け)の典型的な例とされる。

なお、エジプト方言、シリア方言、レバノン方言などはマスメディアで多用されるためアラブ世界各地で理解される一方、異なる地域同士の住民では方言での会話に支障が出ることもある。また、書き言葉が日常で話されることはほぼ皆無であり、読み書き・演説や報道番組での使用に限定される。従って、非ネイティヴが現地でスムーズな日常の会話を行うためには当地の話し言葉を習得する必要があり、読み書きも習得する場合には話し言葉と重ねて学習しなければならない。

アラビア語の特徴

多くの単語は、三つの子音語根として分析することができる。そこに、母音接頭辞接尾辞接中辞を付けて、語彙を派生したり、活用したりする。形態論的には屈折語である。

文字

アラビア語の表記には、通常はアラビア文字が用いられる。フスハーはアラビア文字による正書法を持ち、アーンミーヤも文字化する際は一般にアラビア文字が用いられる。ただし、マルタ語ラテン文字による正書法を持つ。以下は、アラビア文字の主な特徴である。

  • 文字一覧はアラビア文字の項を参照。それぞれの独立形が左右の文字と繋がっていく(ただし例外が6文字ある)。
  • 右から左へと読む。数字は左から右に綴られる。
  • 多くの書体が存在する。「イスラームの書法」を参照。
  • 文語フスハー)はもっぱらアラビア文字で表される。アラビア文字のアルファベットは28文字(学説によってはハムザを1文字と数えて29文字とする。27文字とすることもある)からなり、大文字小文字の区別はない。
  • 口語アーンミーヤ)には正書法がない。
  • 綴り字法は一部を除き子音字のみを用いるため、母音の情報は、読む側が補って読まなければならない。コーランや子供向けの読み物には、正確な発音を示すために母音符号などの符号(シャクル)が付記されている。書道作品においても、母音符号は装飾を兼ねて付記されることが多い。まれに、大人向けの詩や小説であっても、自分の作品に母音符号を付記する作家もいる。

発音

  • 子音にはの奥のほうで [k][ɡ] などを発音するような独特の発音がある。
  • 母音は音韻論的には /a//i//u/ の3つの短母音とその長母音二重母音 (/ai//au/) を弁別する。

文法

  • 定冠詞前置詞が存在し、名詞形容詞(アラビア語では名詞に分類される)は格(主格・属格・対格)・(男性・女性)・数(単数・双数・複数)によって変化する。
  • 女性形、男性・女性複数形には基本となる規則形があるもののそれ以外にもとりうる形が無数に存在するため、個別に記憶しなければならないものが多い。例えば、مُدَرِّسٌ (mudarrisun, 先生) の複数形は規則形であり、語尾に -ūna を付けて、مُدَرِّسُونَ (mudarrisūna) になるが、صَدِيقٌṣadīqun, 友人)の複数は不規則形であるため、صَدِيقُونَ (ṣadīqūna) とはならず、أَصْدِقَاءُ ('aṣdiqā'u) になる。
  • 動詞3人称男性単数完了形を原形とし、語根順配列の辞典では、その形で引くことになる。原型を基本型第一型ともいう。これに加えて、第二型から第十五型までの派生型が存在するが、現代アラビア語は原則として第十型まで用い、第十一型以降は色の変化などといった限られた場合にしか用いられず、第九型は原則として色彩や人体の障害に関する意味を持つ単語である(ただし、派生型は西欧の学者が考案した学習概念であり、アラビア語を母語とする者は用いない)。ハンス・ヴェーアによる『現代文語アラビア語辞典』をはじめとして、多くの辞書は語根順に語が配列されているため、派生型の動詞を辞書で参照するには、動詞からその語根すなわち原形を抽出しなければならず、これが、アラビア語を母語としない初学者にとっての辞書引きを困難にしている。

方言

Arabic Dialects
アラビア語諸方言の分布図

言語分布

Dispersión lengua árabe
アラビア語話者の分布。濃い緑はアラビア語話者が多数を占める地域、薄い緑は少数のアラビア語話者が居住する地域を指す

現代標準アラビア語を公用語とする国家

アジア
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 - イエメンの旗 イエメン共和国 - イラクの旗 イラク共和国 -オマーンの旗 オマーン国 -
カタールの旗 カタール国 - クウェートの旗 クウェート国 - サウジアラビアの旗 サウジアラビア王国 - シリアの旗 シリア・アラブ共和国 -
バーレーンの旗 バーレーン王国 - パレスチナの旗 パレスチナ自治区 - ヨルダンの旗 ヨルダン・ハシミテ王国 - レバノンの旗 レバノン共和国
アフリカ
アルジェリアの旗 アルジェリア民主人民共和国 - エジプトの旗 エジプト・アラブ共和国 - エリトリアの旗 エリトリア国 - コモロの旗 コモロ連合 -
ジブチの旗 ジブチ共和国 - スーダンの旗 スーダン共和国 - ソマリアの旗 ソマリア - チャドの旗 チャド共和国 - チュニジアの旗 チュニジア共和国 -
モーリタニアの旗 モーリタニア・イスラム共和国 - モロッコの旗 モロッコ王国 - リビアの旗 リビア共和国

アラビア語を公用語としている国家のうち、アラブ首長国連邦、イエメン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、シリア、バーレーン、パレスチナ、ヨルダン、レバノン、エジプト、リビア、チュニジアにおいては国民のほとんどがアラブ人で構成されており、公用語としてのフスハーと日常語としてのアーンミーヤのみを使用している。これはイスラム教徒以外のアラブ人も同様で、たとえばレバノンにはマロン派などのキリスト教徒も多数存在するが、民族的にはアラブ人であるためそのほとんどはフスハーとアラビア語レバノン方言を話す。アルジェリアにおいては国民の大半がアラビア語を話すものの、カビール語などのベルベル語諸語話者も存在する。ただし同国の公用語はアラビア語のみとなっている[3]。アラブ人多数の上でベルベル人がかなりの数存在するのは隣国のモロッコにおいても同様であるが、モロッコでは公用語はアラビア語とベルベル語の2言語体制となっている[4]。イラクにおいては北部にクルド人が居住しているためにクルド語も公用語となっているが、アラビア語話者は多数派を占めている[5]。モーリタニアはアラビア語を使用するムーア人が多数を占め、アラビア語が公用語となっているが、南部を中心にアラビア語を使用しない黒人も多く、また旧フランス領だったためフランス語の影響力も強い。スーダンもアラブ系が多数を占めるものの、西部のフール人などのようにアラビア語を使用しない民族も多く存在し、紛争が絶えない。公用語はアラビア語と英語の二言語使用となっている。

こうしたアラブ人が多数を占める国家に対し、住民のほとんどがソマリ語を話すソマリ人であるソマリアや、同じくアファル人イッサ人が多数を占めるジブチ、スワヒリ語に近いコモロ語を主に使用するコモロなどのような、日常語としてアラビア語をほとんど使用しない地域においてもアラビア語が公用語とされることがある。これはこれら諸国がアラブ諸国との経済的・文化的結びつきが強く、またイスラム教徒がほとんどであるため典礼用言語であるフスハーを理解できるものが多く存在するためである。

アラビア語を公用語としている国家は増加傾向にある。これは、かつてイギリスやフランスの植民地だったアラブ人国家が独立したのち、公用語を英語やフランス語からアラビア語に変更する傾向が強いためである。特にアフリカにおいては、アラビア語圏以外のほとんどの新独立国が旧宗主国の公用語をそのまま使用し続けているのと明確な対比をなしている。こうした公用語の切り替えはアラブ人国家すべてで行われたものの、その深度や速度については国によって違いがみられた。旧英領諸国においてはほとんどの国で公用語のアラビア語切り替えが行われたものの、旧フランス領諸国においてはモロッコやモーリタニアのように公用語をフランス語とアラビア語の2言語とする国家がいくつか存在し、アルジェリアのように積極的に言語切り替えが行われた国との差異が目立った。またアルジェリアにおいても、教育課程のアラビア語化は進んだものの官僚など政府の指導層がフランス語話者によって占められている状況を打破することはできなかった[6]。アラビア語教育によって大衆のアラビア語化は進んだものの、エリート層はフランス語話者のままだったため、この二言語の話者間に階層的な対立が生じた[7]。さらにアルジェリアにおけるアラビア語化はイスラム主義と結びついていたために、イスラム主義の台頭を招き[8]、1990年代のアルジェリア内戦へとつながっていくこととなった。

現代口語アラビア語を公用語とする国

マルタ共和国マルタ語は、現代アラビア語口語の一変種である。語彙などの面でヨーロッパ諸語、特にイタリア語からの借用が多く、またラテン文字で綴られる[9]。現代アラビア語口語諸語の中で国家の公用語となっているのはマルタ・アラビア語のみである。

イスラエルにおけるアラビア語の状況

英国委任統治領時代のパレスチナにおいては、英語、アラビア語、ならびにヘブライ語の3か国語が公用語とされ、当時のパレスチナにおける通貨や切手などは左記の3か国語で記載されていた。そして、1948年のイスラエル建国後は、アラビア語とヘブライ語のみがイスラエルの公用語とされ[10]、英語は公用語ではなくなった。しかしながら、ユダヤ系イスラエル人の児童や生徒を対象とした初等教育ならびに中等教育機関においては、公用語であるアラビア語よりも公用語ではない英語の教育を重視している。しかし、アラブ系イスラエル人の児童や生徒を対象とした初等教育ならびに中等教育機関においては、ユダヤ系イスラエル人よりもアラビア語やアラブ文学などに割り当てられる時間数が多い。また、イスラエルにおける雇用条件において、多くの場合は「ヘブライ語と英語が話せること」が語学的な条件として課されており、公用語であるアラビア語は全く理解できなくても、イスラエル社会においては特に問題視されない。それ故、イスラエルにおけるアラビア語は、公式には公用語であるにもかかわらず、事実上はアラブ系イスラエル人というマイノリティのみが用いる言語になっている。イスラエルのアラブ人のかなりが、アラビア語のほかにヘブライ語も使用することができる[11]。また、現在のイスラエルにおける通貨や切手などは、ヘブライ語、アラビア語、ならびに、英語の3か国語で記載される。このような状況は建国以来70年近く続いてきたが、ベンヤミン・ネタニヤフ政権は2017年5月7日にアラビア語を公用語から外して国語へと格下げし、ヘブライ語のみを公用語とする閣議決定を行った。この閣議決定に対し、同国のアラブ人政党からは強い反発が起こった[12]

その他諸国におけるアラビア語

イスラム教においてアラビア語は典礼用言語となっており、アラビア語のもの以外はクルアーンとして扱われないため、礼拝においては必ずアラビア語によってクルアーンを唱えることとなる。ただしクルアーンが翻訳されたものが注釈書として多くの言語圏において出版されているため、イスラム教徒にとってアラビア語は礼拝において必要であっても、内容の理解までは必ずしも必要ではない。このためアラビア語ができないイスラム教徒も非常に多く存在する。ただしクルアーンの内容を詳しく知るためにはアラビア語の知識は不可欠であり、このためイスラム教諸国においては熱心な信徒を中心に薄く広くアラビア語話者が存在する。

このほか、少数民族としてアラブ人が居住している地域においてもアラビア語は使用されている。イランの南西部にあるフーゼスターン州にはアラブ人が多く住み、アラビア語が多く話されている[13]

アラビア語を公用語とする国際機関

アラビア語は世界で4番目の話者人口を持ち、さらにその話者が一地方に集住しているため、言語として大きな影響力を持つ。このため、アラビア語は多くの国際機関において公用語とされている。なかでもアラブ連盟はアラブ人国家の地域協力機構であるため、アラビア語は唯一の公用語となっている。イスラム協力機構も、イスラム教の典礼用言語がアラビア語でありイスラム教圏のほとんどにアラビア語が広まっているためにアラビア語の影響力は大きく、英語、フランス語とともに公用語の一つとなっている。アフリカ連合においても、大陸北部を中心にアラビア語諸国は一大勢力を保っているため、英語、フランス語、ポルトガル語スワヒリ語とともに公用語とされている。アラビア語使用諸国は数も多くひとつの文明圏を形成しているため、国際連合においても1973年にアラビア語は公用語に追加され[14]、英語、フランス語、ロシア語中国語スペイン語とともに6つの公用語のひとつとされている。

他言語への影響

アラビア語を起源とする語彙

「アル」で始まる言葉が多いのは、al-定冠詞だからである。アラビア語の冠詞も参照。

影響を受けた諸言語

上記の語彙以外にも、アラビア語から大きな影響を受けた言語は多く存在する。

特に北アフリカ西アフリカ東アフリカの海岸部においては、それまで文字を持っていなかった言語がイスラム教およびその典礼用言語であるアラビア語の影響を受けて語法を整備し、文字を導入したケースが多く存在する。ハウサ語ソマリ語などはこうした言語であり、現代では表記法はラテン文字に改められたものの、アラビア語からの借用語は非常に多く存在している。インド洋の季節風交易によってアラブ人商人が多く訪れた東アフリカの海岸部においては、バントゥー諸語の語幹に語彙の35%から40%にものぼる大量のアラビア語からの借用語を取り入れたスワヒリ語が16世紀ごろまでには成立し、地域の商業言語として広く使用されるようになった。

このほか、ペルシア語トルコ語を含むテュルク諸語(オグズ、キプチャク、チャガタイ語群)、スペイン語ヒンドゥスターニー語マレー語などの言語は古くから独自の文字を持っていたが、イスラム教の伝播によってアラビア文字を使用するようになり、同時に大量の語彙がアラビア語から流入した。これらの言語は現代においてもアラビア語からの借用語が少なくない。ただしペルシア語を除き、現在はそれぞれ別の文字で表記されている。

統制機関

アラビア語の統制機関としては、最も古いダマスカス・アラビア語アカデミー(1919年創立)[15]や、カイロにあるアラブ語学院1932年創立)[16]をはじめ、いくつかの国家に設けられたアラビア語アカデミーがその役割を担っている。こうした統制機関は科学分野を除いて外国語からの借用語をできるだけ制限し、新たな概念に対しては単語の意味の拡張などアラビア語内の対応によって処理する傾向が強い[17]

参考文献

  • 『現代アラビア語入門』黒柳恒男、飯森嘉助(大学書林)
  • 『アラビア語入門』池田修(岩波書店、絶版)

注釈

  1. ^ 関連する記事にタフスィールがある。

出典

  1. ^ 「イスラーム世界のことばと文化」(世界のことばと文化シリーズ)p84-85 佐藤次高・岡田恵美子編著 早稲田大学国際言語文化研究所 成文堂 2008年3月31日初版第1刷
  2. ^ 「イスラーム世界のことばと文化」(世界のことばと文化シリーズ)p85-86 佐藤次高・岡田恵美子編著 早稲田大学国際言語文化研究所 成文堂 2008年3月31日初版第1刷
  3. ^ http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/algeria/data.html#section1 「アルジェリア基礎データ」日本国外務省 2017年6月21日閲覧
  4. ^ http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/morocco/data.html 「モロッコ基礎データ」日本国外務省 2017年6月21日閲覧
  5. ^ http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/iraq/data.html#section1 「イラク基礎データ」日本国外務省 2017年6月21日閲覧
  6. ^ 「アルジェリアを知るための62章」p357 私市正年編著 明石書店 2009年4月30日初版第1刷
  7. ^ 「アルジェリアを知るための62章」p153 私市正年編著 明石書店 2009年4月30日初版第1刷
  8. ^ 「アルジェリアを知るための62章」p358 私市正年編著 明石書店 2009年4月30日初版第1刷
  9. ^ 「アラビア語の世界 歴史と現在」p415-416 ケース・フェルステーヘ著 長渡陽一訳 三省堂 2015年9月20日第1刷
  10. ^ http://mfa.gov.il/MFA_Graphics/MFA%20Gallery/Documents%20languages/FactsJapanese08.pdf 「イスラエルの情報」p142 イスラエル外務省 2017年6月21日閲覧
  11. ^ 「イスラエルを知るための60章」p342 立山良司編著 明石書店 2012年7月31日初版第1刷 
  12. ^ http://www.afpbb.com/articles/-/3127540 「イスラエル、アラビア語を公用語から外す法案を閣議決定」AFPBB 2017年05月08日 2017年6月21日閲覧
  13. ^ 『イランを知るための65章』 岡田久美子・北原圭一、鈴木珠里編著 明石書店  2009年11月20日 p.74 ISBN 9784750319803
  14. ^ http://www.unic.or.jp/info/un/charter/membership_language/ 「加盟国と公用語」 国際連合広報センター 2017年6月21日閲覧
  15. ^ 「アラビア語の世界 歴史と現在」p345 ケース・フェルステーヘ著 長渡陽一訳 三省堂 2015年9月20日第1刷
  16. ^ 「アラビア語の世界 歴史と現在」p345 ケース・フェルステーヘ著 長渡陽一訳 三省堂 2015年9月20日第1刷
  17. ^ 「アラビア語の世界 歴史と現在」p348-354 ケース・フェルステーヘ著 長渡陽一訳 三省堂 2015年9月20日第1刷

関連項目

外部リンク

アフリカ

アフリカ(ラテン語:Āfrica、英語:Africa)は、広義にはアフリカ大陸およびその周辺のマダガスカル島などの島嶼・海域を含む地域の総称で、六大州の一つ。阿州。漢字表記は阿弗利加。

アラビア文字

アラビア文字(アラビアもじ)は、アラビア語をはじめ、世界中のイスラム文化圏に属する諸言語を記述するのに使われる文字。ラテン文字、漢字に次いで、世界で三番目に使用者数が多い文字体系である。

アラブ人

アラブ人(アラブじん、العرب،عربي)は、おもにアラビア半島や西アジア、北アフリカなどのアラブ諸国に居住し、アラビア語を話し、アラブ文化を受容している人々。

7世紀にムハンマド(マホメット)によってイスラム教が開かれ、中東・北アフリカを中心に勢力を拡大した。

もともとアラビア人をアラブと呼ぶが、日本では誤訳から始まった呼び方で定着した。

アラブ首長国連邦

アラブ首長国連邦

الإمارات العربية المتحدة

国の標語:なし

国歌:アラブ首長国連邦国歌

アラブ首長国連邦(アラブしゅちょうこくれんぽう、アラビア語: الإمارات العربية المتحدة‎、英: United Arab Emirates,UAE)は、西アジア・中東に位置し、7つの首長国からなる連邦制国家。首都はアブダビ市。

アラビア半島のペルシア湾(アラビア語圏ではアラビア湾と呼ぶ)に面した地域にある。東部ではオマーンと、南部および西部ではサウジアラビアと隣接する。カタールとは国境を接していないが、カタールとの間のサウジアラビアの一部地域の領有権をめぐる論争がある。

アルジェリア

アルジェリア民主人民共和国

الجمهورية الجزائرية الديمقراطية الشعبية

国の標語:من الشعب و للشعب(アラビア語: 人々により、そして人々のために)

国歌:قسما‎(アラビア語)誓い

アルジェリア民主人民共和国(アルジェリアみんしゅじんみんきょうわこく)、通称アルジェリアは、北アフリカのマグリブに位置する共和制国家。東にチュニジア、リビアと、南東にニジェールと、南西にマリ、モーリタニアと、西にモロッコ、サハラ・アラブ民主共和国と国境を接し、北は地中海に面する。地中海を隔てて北に旧宗主国のフランスが存在する。首都はアルジェ。

アフリカ世界と地中海世界とアラブ世界の一員であり、アフリカ連合とアラブ連盟と地中海連合とアラブ・マグレブ連合に加盟している。2011年の南スーダン独立によりスーダンが分割され領土が縮小したことで、スーダンを超えてアフリカ大陸において最も領土が広い国となった。世界全体でも第10位の領土面積である。

エジプト

エジプト・アラブ共和国

جمهورية مصر العربية

国の標語:なし

国歌:بلادي، بلادي، بلادي(アラビア語)我が祖国

エジプト・アラブ共和国(エジプト・アラブきょうわこく、アラビア語: جمهورية مصر العربية‎)、通称エジプトは、中東(アラブ世界)および北アフリカにある共和国。首都はカイロ。

アフリカ大陸では北東端に位置し、西にリビア、南にスーダン、北東のシナイ半島ではイスラエル、ガザ地区と国境を接する。北は地中海、東は紅海に面している。南北に流れるナイル川の河谷とデルタ地帯(ナイル・デルタ)のほかは、国土の大部分が砂漠である。ナイル河口の東に地中海と紅海を結ぶスエズ運河がある。

カタール

カタール国

دولة قطر

国の標語:なし

国歌:カタール国歌

カタール国(カタールこく,アラビア語: دولة قطر‎,[ˈqɑtˤɑr])、通称カタールは、中東・西アジアに位置する立憲君主制国家。首長はサーニー家。首都はドーハ。アラビア半島東部のカタール半島のほぼ全域を領土とする半島の国で、面積は秋田県と同程度の11,427km2。周囲をペルシア湾(アラビア湾)に面する。南はサウジアラビアと国境を接し、ペルシャ湾を挟んで北西はバーレーンに、北はイランに、東はアラブ首長国連邦(UAE)に向かい合う。国土の全域が砂漠気候にあり、年間降水量は約100mm。

1940年に発見された油田によって潤沢な資金を得て、労働力として外国人を移民させることにより、20世紀後半以降近代的に発展を遂げた。2019年現在も石油や天然ガスの関連産業が国内総生産の6割強を占める。2019年現在の人口は約285万人であるが、このうちカタール人は1割強で、残り9割弱が南アジアや東南アジアからなどの外国人労働者である。男性労働者が大量に流入しているため、国民のうち3/4が男性となっている。公用語はアラビア語であるが、アラビア語圏外からの移民が多いことから共通語として英語が広く使われている。

イスラム教を国教としており、外国人労働者含めムスリムが国民の多数派となっている。カタール人のうち約9割がスンナ派に属し、約1割がシーア派に属している。

クルアーン

クルアーン(قرآن qur’ān)あるいはコーランは、イスラム教(イスラーム)の聖典である。イスラームの信仰では、唯一無二の神(アッラーフ)から最後の預言者に任命されたムハンマドに対して下された啓示と位置付けられている。ムハンマドの生前に多くの書記によって記録され、死後にまとめられた現在の形は全てで114章からなる。

クルアーンは、読誦して音韻を踏むように書かれている。「クルアーン」という名称はアラビア語で「詠唱すべきもの」を意味し、アラビア語では正確には定冠詞を伴って「アル=クルアーン」と呼ばれる。

英語では、Quran(Qurʾan)または、Koranと表記されるが、「コーラン」は、回教(回紇(ウイグル)に由来))と共に中国語「古蘭(または可蘭)」に由来する。

通常、日本ではコーランと呼ばれることが多い。

サウジアラビア

サウジアラビア王国

المملكة العربية السعودية

国の標語:لا إله إلا الله محمد رسول الله(lā ilāhā illā-llāhu; muhammadu rasūlu-llāhi)(アラビア語:アッラーの他に神はなし、ムハンマドはアッラーの使徒なり)

国歌:サウジアラビアの国歌

サウジアラビア王国(サウジアラビアおうこく、アラビア語: المملكة العربية السعودية‎)、通称サウジアラビアは、中東・西アジアに位置する絶対君主制国家。首都はリヤド。

世界2位の原油埋蔵量を持つ国であり、石油(原油)を中華人民共和国をはじめ世界中に多く輸出している。イスラム教最大の聖地メッカ(マッカ)と第2のマディーナ(メディナ)を擁する。世界銀行の定義では高所得国に分類され、アラブ諸国で唯一G20に加盟しているが、産業の多様性には乏しく、天然資源開発が主要産業となっている。

サウジアラビアにおける死刑や信教の自由、女性の人権など、欧州と異なる文化、法体制に対しては批判もある。

スペイン語

スペイン語(スペインご、 español)もしくはカスティーリャ語(カスティーリャご、 castellano)は、インド・ヨーロッパ語族イタリック語派に属する言語。略して西語とも書く。

スルターン

スルターン(アラビア語: سلطان‎ sultān)は、イスラム世界における君主号(君主の称号)のひとつ。アラビア語で「権力(者)」、「権威(者)」を意味する。マレー語・トルコ語などの発音に準じてスルタンと書かれることも多く、「国王」、「皇帝」などとも訳される。古くは英語における発音の音訳によってサルタンとも書かれたが、近年では稀である。

チュニジア

チュニジア共和国

الجمهورية التونسية

国の標語:نظام، حرية، عدالة(アラビア語: 自由、秩序、公正)

国歌:祖国の防衛者

チュニジア共和国(チュニジアきょうわこく、アラビア語: الجمهورية التونسية‎、通称チュニジアは、北アフリカのマグリブに位置する共和制をとっている国家。西にアルジェリア、南東にリビアと国境を接し、北と東は地中海に面する。地中海対岸の北東にはイタリアが存在する。首都はチュニス。

アフリカ世界と地中海世界とアラブ世界の一員であり、アフリカ連合とアラブ連盟と地中海連合とアラブ・マグレブ連合に加盟している。最も早く「アフリカ」と呼ばれ、アフリカ大陸の名前の由来になった地域である。

トルコ語

トルコ語(トルコご、Türkçe)は、アゼルバイジャン語やトルクメン語と同じテュルク諸語の南西語群(オグズ語群)に属する言語。

ペルシア語

ペルシア語(ペルシアご、فارسی‌ , پارسی‌; Fārsī, Pārsī)は、イランを中心とする中東地域で話される言語。ペルシャ語、ファールシー語、パールシー語ともいう。

言語学的にはインド・ヨーロッパ語族-インド・イラン語派-イラン語群に分類される。ペルシア語は高度な文明を持っていた古代ペルシア帝国から現在に至るまでイラン高原を中心に使われ続けてきた言語であり、文献によって非常に古くまで系統をさかのぼることができる。ただし、現在のペルシア語にはアラビア語からの借用語が非常に多く、その形態は古代ペルシア語とはかなりの断絶がある。

ムスリム

ムスリム(アラビア語: مسلم‎、英語: Muslim)とは、「(神に)帰依する者」を意味するアラビア語で、イスラム教の信者(イスラムきょうのしんじゃ)のことである。

モロッコ

モロッコ王国

ⵜⴰⴳⵍⴷⵉⵜ ⵏ ⵍⵎⵖⵔⵉⴱالمملكة المغربية

国の標語:الله، الوطن، الملك‎ⴰⴽⵓⵛ, ⴰⵎⵓⵔ, ⴰⴳⵍⵍⵉⴷ(神、国、王)1

国歌:国王万歳

1 この標語は、憲法に明記された現国王の標語である。2 モロッコ本土のみのデータ。

モロッコ王国(モロッコおうこく、アラビア語: المملكة المغربية‎、ベルベル語: ⵜⴰⴳⵍⴷⵉⵜ ⵏ ⵍⵎⵖⵔⵉⴱ)、通称モロッコは、北アフリカ北西部のマグリブに位置する立憲君主制国家。東にアルジェリアと、南に西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)と、北にスペインの飛地(セウタとメリリャ)に接し、西は大西洋に、北は地中海に面している。首都はラバト。

南に接する西サハラはスペインが放棄後、モロッコと現地住民による(亡命)政府であるサハラ・アラブ民主共和国が領有権を主張している。モロッコは西サハラの約7割を実効支配しているが、国際的には認められていない。実効支配下を含めた面積は約599,500km2(うち、西サハラ部分が189,500km2)、人口は33,848,242人(2014年国勢調査)。

地中海世界とアラブ世界の一員であり、地中海連合とアラブ連盟とアラブ・マグリブ連合に加盟している。モロッコはサハラ・アラブ民主共和国を自国の一部であるとの立場から独立国家として承認しておらず、1984年にサハラ・アラブ民主共和国のアフリカ統一機構(2002年にアフリカ連合へ発展)加盟に反対して同機構を脱退、アフリカ大陸唯一のアフリカ連合(AU)非加盟国になっていたが、2017年1月31日に再加入した。

ヨルダン

ヨルダン・ハシミテ王国

المملكة الأردنيّة الهاشميّة

国の標語: الله، الوطن، الملك (アラビア語:神、祖国、国王)

国歌:As-salam al-malaki al-urdoni

ヨルダン・ハシミテ王国(ヨルダン・ハシミテおうこく、アラビア語: المملكة الأردنيّة الهاشميّة‎:英語名 Hashemite Kingdom of Jordan)、通称ヨルダンは、中東・西アジアに位置する立憲君主制国家である。首都はアンマン。イスラエル、パレスチナ暫定自治区、サウジアラビア、イラク、シリアと隣接する。イスラエル・パレスチナ暫定自治区とはヨルダン川と死海が国境である。

立憲君主制をとる王国である。イスラームの預言者ムハンマドの従弟アリーとムハンマドの娘ファーティマの夫妻に遡るハーシム家出身の国王が世襲統治する。

国民の半数余りは中東戦争によってイスラエルに占有されたパレスチナから難民として流入した人々(パレスチナ難民)とその子孫である。

中東

中東(ちゅうとう、英語: Middle East)は、狭義の地域概念では、インド以西のアフガニスタンを除く西アジアとアフリカ北東部の総称。西ヨーロッパから見た文化の同一性や距離感によって、おおまかに定義される地政学あるいは国際政治学上の地理区分。

国の一覧

国の一覧(くにのいちらん)は、世界の独立国の一覧である。

アラビア語 العربية‎
Caligrafia arabe pajaro
国際連合公用語
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アフリカ連合の言語

他言語版

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